ここから本文です

否定と肯定 (2016)

DENIAL

監督
ミック・ジャクソン
  • みたいムービー 232
  • みたログ 767

3.67 / 評価:587件

目立ちたい。そうすれば金になる

  • mai***** さん
  • 2018年1月27日 23時08分
  • 閲覧数 1639
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

アーヴィングさんの行動の根底には
『目立てば金になる』という経済的な観点があったのでしょう。
だから過激にホロコーストを否定する。

欧州を中心に長く流れる反ユダヤ主義の水脈。
一般な人々より裕福で、エリートな階層に多く
ともすれば彼らが連動して自分たちのいる国を支配しようとしているんじゃないか?

その疑惑が奔流となってしまったのが
第一次大戦敗戦後の経済的苦境に陥ったドイツ。
かつての領地に思いを馳せるためのワンダーフォーゲル活動が起こり
強い指導者を求めてナチス政権が誕生し
結果、ユダヤ人に対する迫害が起きてしまった。

そこまでの極端な奔流にならずとも反ユダヤに舵を切れば
脈々と流れる水脈を汲み取っている人たちに『受ける』のは確かな事で
それを『金脈』として仕事にしていたアーヴィングさんにとって
リップシュタットさんの批判は『噛みつけば金になる』と浅慮な行動にでたのでしょうね。

裁判はレビュー評価の低い方が勘違いされていますが
これは映画のCMで私自身も勘違いしましたが
リップシュタットさんの発言によるアーヴィングさんの名誉棄損に対する裁判だったという事であり
ホロコーストの有無を判断する裁判ではなかったという事。

リップシュタットさんや収容所生活を送った方々を登壇させる必要はなかった。
リップシュタットさんの弁護団はその点で正しかった。
弁護団は彼女や収容所生活をした人々を『守る』戦いをしたんだなと。
アーヴィングさんの過去の発言や著書が
リップシュタットさんの批判に耐えうるだけの素晴らしい研究成果であるか?
この証明に出たわけで
なるほどボロの出てくる展開は弁護団の優秀さと
アーヴィングさんの研究が浅慮な過程を経たものだったとわかるもので
弁護団の熱意ある弁護が痺れました。

ただ最後に待っていたのは裁判長の問いかけ
意図的な資料の改ざんや解釈は反ユダヤ主義とは関係がないのでは?
反ユダヤ主義が信念を持つ発言ならウソと批判できないのでは?
これには痺れたな…
こういう発言をする人を闇雲に非難することは表現の自由の観点から見れば
よろしくない事ではないですか? という事だと感じました。

両論があっても良いではないですか?
そういう問いかけに聞こえた裁判長の発言
でもこの場合、両論が併記されることが正しい事だとは思えません。
収容所に入れられてしまった人々がどうして亡くなってしまったのか?
病気なのだとしたら、その対策をなぜしなかった?
収容所に入れて管理しようとしたナチス政権に
管理責任があることになると感じます。
結局は衛生管理面に問題があり収容所そのものが
虐待施設であることに繋がるんだと思います。
それは結局はホロコーストと同じ結果になる。
導かれる結論の過程にユダヤの方々は怒るかもしれませんが
収容所が虐待施設である結論は動かしがたい事実になるので

ホロコースト否定論が生きる世界にはならないと私は思います。


アーヴィングさんは可愛いお嬢さんを育てる一人の父親でもありましたが
その養育の過程で必要となる金銭の獲得の仕方を間違えてしまった人なんだと思いました。
似たような金銭の獲得の仕方をしている人たちが多くいるような気がするのが
哀しい事だなと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ