総集編みたい
- cyborg_she_loves_me さん
- 2021年1月26日 14時28分
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- 総合評価
池井戸潤のベストセラーの、精密機械みたいに入り組んだストーリーを、たった2時間で効率的に知るためには最適な作品です。
原作のストーリーをできるだけ改変せずに再現するために、暗示の手法が多用されています。短いシーンはワンシーン2秒ぐらいで次のシーンに切り替わってしまう。その一瞬の意味をちゃんと理解しながら物語をたどる必要がありますから、見る側に相当な集中力が必要です。
それだけぎゅっと圧縮されている代償として、見ているこっちの感情を刺激するような要素は非常に希薄です。
ドラマ版の方は、事故の被害者や遺族への共感とか、リコール隠しに奔走する企業体質への怒りとかが、否応なしにこっちに湧き上がってくるだけの時間をたっぷり費やして作られていました。
給料は要らないから社長についていきます、と赤松運送の社員が言うシーンは、泣けました。
この映画にはそういうものを期待しちゃいけません。ドラマ版の方を先に見た人はたぶん、大河ドラマの総集編を見てるみたいな気分になるでしょう。でも世の中には、大河ドラマは総集編だけ見れば十分だ、と本気で思ってる人がいるのも事実で、そういう人にはぴったりの映画だと思います。
キャスティングは絢爛豪華の極みですが、長瀬くんの社長役を始めとして、なんとなく役柄にミスマッチな人が多い印象がある。といっても、仲村トオルさんも私はイマイチ適役には思えなかったんですけど。小池栄子さんと高橋一生くんは、そんなに出番は多くないけど、光ってましたね。俳優陣の豪華さを楽しむという点では、楽しめる映画かもしれません。
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