フェチ、社会問題意識、そして憐憫
- pun***** さん
- 2018年3月8日 5時16分
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実に井口昇監督らしく、普通なら共存し得ないだろう映画的要素を溶け合わせ、独自の世界観を作り上げています。実際にあった凶悪事件をベースに主人公たち「幽霊少女」の怨嗟と復讐を描いているのですから、もっと暗くも重くもシリアスにも出来るはずなのに、ユーモアもエロもフェチも全部ぶち込んで「アイドル映画」として成立させてしまっているあたり、ほんとうにこの監督は世界でも稀に観る異能の人なのだなあと今更のように感じいった次第です。しかし、そのバックボーンには、明らかに、不意に命を絶たれた少女たちへの深い憐憫の情があり、監督がパンフレットに寄稿されていた文章にもある「映画の世界の中で彼女たちを救う」というクリエーターとしての意思を思うとき、この作品のクライマックスには自然と涙せざるをえません。いわゆる「ファンタジー映画」としてはどうしてもローバジェット感を拭えませんが、青春映画、としては、第一級の変化球、と評すべき素敵な作品だと思います。
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