レビュー一覧に戻る
禁断のエチュード マルグリットとジュリアン

禁断のエチュード マルグリットとジュリアン

MARGUERITE ET JULIEN/MARGUERITE & JULIEN

104

bakeneko

5.0

ネタバレ過激なベッドタイムストーリーだなあ~

近親相姦罪で1603年に21歳と17歳でフランスのパリのグレーヴ広場で処刑された、ノルマンディーの領主ラヴァレ家の兄妹:ジュリアンとマルグリットの物語を、中世と現代の風俗が混在する描写で語ってゆく映画で、ゲスト出演にはジュラルディン・チャップリンも顔を見せています。 1970年代にジャン・グリュオーがフランソワ・トリュフォーのために書いた脚本を基にして、女流監督:ヴァレリー・ドンゼッリが映像化したもので、寄宿舎のベッドタイムストーリーの形を借りた兄(ジェレミー・エルカイム)と妹(アナイス・ドゥムースティエ)の禁断で一途な愛が語られてゆきます。 ノルマンディーの海岸地方を舞台にして、禁断の恋に奔る兄妹の幼いころからの真摯な愛に魅入る作劇となっていて、社会からの隔絶と死を予感しても抑えきれない愛は、「テス」、「ライアンの娘」、「嵐が丘」といった名作を彷彿とさせます。 そして、現代の情景から17世紀に跳んだ物語の中にヘリコプターなどの近代器機が出てくる混然感覚は、「ジーザス・クライスト・スーパースター」や「ウォーカー」といった作品の現代と過去の距離を跳躍した演出を踏襲しています。 美男美女の主演俳優の熱演と原初的な好意感が強い愛に変わる様子をしっかりと映し出して、近親相姦を描きながらも忌避感よりも純朴感覚が優出している作品で、“彼らを海岸で見たわ…”と語る少女たちに、女の子の死も厭わない強い愛への憧憬を語らせています。 フランス人なら誰もが知っているお話を丹念に再解釈することで、愛を完遂した男女の永遠性が結晶化する美しさを感じさせる映画で、トリュフォーが撮っていたら…と考えてしまいますよ! ねたばれ? 劇中でイタリア人の夫に嫁いだマルグリットが姑とドミノをしていますが、ドミノの由来は、中国・北宋時代の宣和時代(1119〜1125年)に宣和牌というドミノと殆ど同じ形をした骨牌が生み出され、骨牌が18世紀頃西洋(イタリア)に伝播してその起源となったといわれています。

閲覧数541