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リバーズ・エッジ (2017)

監督
行定勲
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3.22 / 評価:502件

男と女の間に芽生えた真の愛情

  • yab***** さん
  • 2018年10月1日 22時12分
  • 閲覧数 231
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 90年代前半の若者の群像劇と言ってしまえば聞こえはいいが、何らかの理由で心が壊れている若者たちのちょっとやり過ぎの愛憎劇を描いているような気がする。

 母親と二人暮らしのハルエ。その恋人で、家庭が破綻して、麻薬とセックスに明け暮れる観音崎。観音崎に苛めを受けているゲイの山田。摂食障害でモデルのこずえ。観音崎のセックスフレンドと化したルミ。山田のことを一方的に恋慕するカンナ。この面々を見ただけで、若者たちのそっとする暗い情念が想像できよう。

 監督は行定勲。彼には珍しく濡れ場シーンが多い。しかし、そのシーンを多投することによって、彼の意図するものは見えてくる。それは、濡れ場シーンの対極に、彼らのインタビューシーンを挿入することで、ただでさえ無軌道な彼らの本音に迫ろうという手法である。
 ただその企ても、作中では徒労に終わっている。なぜなら彼らに愛とは何か、生きるとは何かという本質的な質問をすると、途端に答えられない彼らを垣間見るからだ。家族の状況や家庭環境については、わりと素直に答えられても、自分はこうであるという生き様について問われると、途端に口をつぐむ。そこがこの作品の若者たちの本音のような気がした。人を愛することを知らないから欲望に走る。そんな感じだ。

 生きることに鈍感だから、セイタカアワダチソウが生い茂る河原で見つけた腐乱死体を、いつまでも放置してしまう。ちょっと女性からバカにされると、すぐに首を絞めてしまう。嫉妬すれば人の家に火をつけ、自分が侮辱されれば兄弟でも刺しかねない。かわいい子猫でさえ生肉にしてしまう。

 その中で二階堂ふみ演じるハルナと山田だけが、その周囲のただならぬ状況に対して大人の対応をしているように思えた。彼らが男と女の間に芽生えた真の愛情を表現してくれた。彼らが心の瓦礫を丁寧に拾ってくれた。そのせいなのかもしれないが、正直ほっとした。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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