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悪と仮面のルール (2017)

監督
中村哲平
  • みたいムービー 148
  • みたログ 480

2.65 / 評価:391件

壮大なサスペンスであり心震える恋愛映画

  • bat***** さん
  • 2018年1月24日 22時25分
  • 閲覧数 1430
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

中村文則さんの原作小説「悪と仮面のルール」は、海外で賞を獲得するほど評価の高い作品。

きっと面白いに違いない!・・・ということで、さっそく鑑賞してきました!

その結果・・・うん、やっぱり面白い!

「とにかく深いんです!」としか言えないのですが、タイトルにもある「悪」に関する考察が独特で、なおかつ説得力があり脱帽。

そして、あの結末には痺れました!

壮大なサスペンスであり、一途過ぎる恋愛でもある結末とは・・・。

「悪と仮面のルール」とは「(邪の)世界に身を置かざるを得なかった主人公が、そこから出る話」であり、「人の命を奪うとはどういうことなのか」に関する考察であり、「結局のところ、これは恋愛小説かもしれない」な物語。

物語には深く考察された重大なテーマがいくつも登場し、それが複雑に絡み合い、「悪の大河」とも言える壮大重圧な物語がつくりあげられました。

それでいてギリギリのバランスで「頭でっかちな固い内容」にもなっておらず、時にハラハラさせられ、時に感動させられる・・・。

要は「なかなかうまく構成されていて、すごいな!」というのが、私の素直な感想です(笑)


ストーリーとしては「邪の家系」の設定や「黒幕・久喜幹彦との対決」なども見応え充分だったのですが、やはりそれよりも目がいくのは主人公・久喜文宏(新谷弘一)という人間について。

具体的には「果たしてこの過酷な運命に翻弄された青年は救われるのだろうか?」と、途中から気になってしょうがなかったです。

より具体的には「最後には香織への気持ちが報われて二人で幸せになってくれ!」と強く願う一方で、「でも、作風的にはもう全然夢も希望もない結末かも・・・」と不安になっているような心境でしたね。

それがどうですか!

あの香織との胸が引き裂かれるほど切ない別れ!

結末の部分では本当に心を翻弄されっぱなしでしたね。

最終的には希望(と愛)のある結末で、心からホッとしました。

「悪と仮面のルール」は、これまでとは全く異なる切り口で描かれた、心震える「恋愛映画」だったと思います。


そして、「なぜ、人の命を奪ってはいけないのか?」

散々語られているテーマではありますが、この「悪と仮面のルール」における解釈は、個人的にとても腑に落ちるものでした。

それは「倫理的にダメ」「罰せられるからダメ」というものではなく「生物としての本能に逆らうから」というものです。

本来、生物は同種の命を奪うようにはプログラミングされていない(共食い、などは稀有な例)

それなのに、本来のプログラミングに逆らって同種の生物の命を奪えば、生物として「誤作動」が起こる。

例えば、文宏のように幻覚が見えるようになったり、幸せの瞬間(生命を感じる瞬間)に「だが、自分は他の命を奪った」という意識がフラッシュバックしたり。

誤作動によって精神的に追い詰められた人間は、決して「普通」ではいられない。決して幸せにはなれない。

だから、人の命を奪ってはいけない。

このような論理が、劇中で詳しく解明されています。

作品の大きなテーマの一つだけあって「なぜ、人の命を奪ってはいけないのか?」に関する考察は、とても興味深いものでした。


悪として存在するしかなかった男、久喜文宏役は玉木宏さんが演じられました。

爽やかな印象で影を背負った悪役のイメージはあんまりないのですが、落ち着いた風貌は久喜役にうってつけだったと思いました。

新木優子さんが映画のキーパーソンを演じられます。悪に晒されながらも懸命に生きる香織役は、印象に残りました。

他にも、中村達也さん、村井國夫さん、柄本明さん、吉沢亮さん、光石研さんなど実力派豪華キャスト陣の名演技もとても良かったです。

詳細評価

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