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ナチュラルウーマン (2017)

UNA MUJER FANTASTICA/A FANTASTIC WOMAN

監督
セバスティアン・レリオ
  • みたいムービー 915
  • みたログ 604

3.49 / 評価:280件

ありのままに生きることの大切さと難しさ

  • wxj******** さん
  • 2021年4月14日 23時10分
  • 閲覧数 287
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

ナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのシンガー、マリーナ。
歳の離れた恋人オルランドと暮らし、幸せな日々。

だが、マリーナの誕生日を祝った夜、自宅で突然オルランドは意識を失う。
マリーナは病院に運ぶが、そのまま亡くなってしまう。

いわゆる突然死だが、外傷があったことから事件性まで疑われてしまう。
意識が朦朧として、階段から落ちてしまったのが原因なのだが。

マリーナがトランスジェンダー、ということもあるのだろうが・・・。
年が大きく離れているなど、不審に思われる点が多かったとはいえ・・・。

病院からも警察からも疑われ、まるで容疑者扱い。容赦なく、失礼極まりない。
あまりに理不尽で、切なくやるせなくなってくる。

さらに、オルランドの元妻、息子の態度は、マリーナへの憎しみも加わりもっと酷いものだった!

愛する人を失った悲しみに暮れる暇もなく、住む場所も追われ、愛犬も奪われ、葬儀にも来るなと言われてしまう。
幸せな日々が一転して、全てを失うどん底状態に。

すでに離婚しているのだから、そこまでの権限があるのか?と、腹立たしくなる。
唯一、弟だけが少し理解を示してくれるのが救いだった。

マリーナは、ただ愛する人に最後の別れをしたいだけ。その権利は私にもあると主張する。
どんな辛い状況にも絶え、自分らしく、ありのままに、前を向いて歩いていこうとする。

マリーナの姿は力強く、たくましく、美しく、ブレることはない。
至る所で象徴的に表れる様々な鏡に自分を映しながら、自分自身を見つめ直していくマリーナの強い信念には、胸を打たれる。

そんなマリーナに、世間の風はどれほど冷たいことか・・・。
性的マイノリティに対し、昨今はかなり寛容となり、理解も深まったと思いきや。
現実的には、まだまだこんなものかと、根強い差別と偏見に気が滅入る。

今作、とにかくこのダニエラ・ヴェガが、素晴らしい!
彼女の演技が、今作の魅力の大半を占めている。

実際に自身もトランスジェンダーなので、圧倒的なリアリティと、訴えかけてくる強烈なインパクトが半端ない。
何度も惜しみなく裸体まで披露しているのも、本当に驚いた。

凛々しく素の状態の彼女は、美しく輝きを放っていた。
ありのままに生きることの大切さと同時に、難しさを感じさせたが、彼女の揺るぎない姿には、勇気と希望と感動がもらえる。

後半、元家族たちにされた仕打ちはあまりにひどくて、ゲス過ぎて、こっちまで辛くなるほどの勢いだった。
あんな状態の顔までさらす、彼女の体当たりっぷりと潔さと覚悟がお見事。

ただやられっぱなしじゃなくて、反撃しちゃうのもいい、なんてパワフル!
すっかり感情移入して、応援せずにいられない。

ラストの凛としてステージに立つ姿、力強い歌声に、愛のメッセージ。
それでも自分らしく生きていく誓いのような、旅立ちのような、宣言のような。

愛の力を糧に、何度でも立ち上がる姿に今後の明るい未来を予感させて、感動的。
ほんの数日間を描いた物語だが、これまでのマリーナの人生と生き様が凝縮された、深い濃厚なヒューマンドラマだった。

詳細評価

物語
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演出
映像
音楽

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