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ナチュラルウーマン (2017)

UNA MUJER FANTASTICA/A FANTASTIC WOMAN

監督
セバスティアン・レリオ
  • みたいムービー 921
  • みたログ 611

3.49 / 評価:284件

もっと可愛い名前にして欲しかったワン!

  • bakeneko さん
  • 2018年4月2日 10時26分
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

いきなりすみません。映画に本名で出演しているジャーマン・シェパードの“ディアブラ”は、スペイン語の悪魔:ディアブロの女性形です(女の子だったのね!)

チリの俊英:セバスティアン・レリオが首都サンチャゴを舞台にして撮りあげた、トランスジェンダーの主人公の心の動き&哀しみ&奮闘を活写してゆく“愛の残像物語”の傑作で、主演のダニエラ・ヴェガの両性具有的な美貌が圧倒的な存在感を出す共に物語に説得性を付与しています(原題は“ファンタスティックな女”)。

父娘ほど年の違うトランスジェンダーのマリーナとオルランドは運命的な繋がりを感じる恋人同士だったが、マレーナの誕生日を祝った晩にオルランドが急逝してしまう。看取った病院での不当な嫌疑、世間体を気にする遺族達による阻害、更に彼のアパートから追い出され、彼との思い出の愛犬:ディアブラまで取上げられたマレーナはトランスジェンダーへの偏見を受けながら彼との絆の証を留めようと奮闘する…というお話で、ダニエラ・ヴェガの女性でも男性でも通用する美貌と細やかな心理描写がユニークな葛藤劇をリアルに見せて行きます。

もしヒロインが普通の女性だったら、健気な年の差恋愛譚なのに、主人公が元男性というシチュエーションが周囲の異常な反応を引き起こすことが物語の要となっている作品で、真の心の触れ合いはジェンダーを超えたより深いものであることが浮かび上がってくる作劇は心に沁みますよ!

映画ファン的には、アルモドバルやホドロフスキー映画に代表される“ラテンの原色色彩”映像や、邦題にもなった“ナチュラルウーマン”といった既成曲の絶妙な引用にスペイン系の映画の共通性をみることができますし、「柔らかい肌」、「隣の女」といったトリュフォー、「見知らぬ乗客」、「ファミリープロット」などのヒッチコック、「好奇心」「恋人たち」などのルイ・マルへのオマージュもみつけることができますよ!

ねたばれ?
1、 主人公が歌うアリアについて
最初に音楽教師を訪問した際の曲-ヴィヴァルディの全3幕からなる歌劇「バヤゼット」から、アリア「私はないがしろにされた妻 Sposa son disprezzata」
これはヴィヴァルディの作曲ではなくて、ジャコメッリが映画「カストラート」でも描かれた歌手:ファリネッリのために書いた歌劇「メローペ Merope」のアリア”Sposa, non mi conosci”を改作したものです(タイトルから既に主人公の現在の境遇を表していますよね)。
ラストを締める2曲目はみなさん御存知の-「オンブラ・マイ・フ」(Ombra mai fù)または「ラルゴ」(Largo)で、ヘンデルの作曲したオペラ『セルセ』(Serse, Xerxes)第1幕第1場の中のアリアです。
この曲も本来はカストラート(少年特有の澄み切った高音のソプラノ音域を維持する為に声変わり前に去勢されて男性ではなくなった歌手)のためのものですので、映画の主人公のトランスジェンダーという境遇と合致しています。
2、劇中の突風で前に進めなくなるシーンは「キートンと蒸気船」へのオマージュです。
3、で、イグアスの滝への切符は何処に?

詳細評価

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