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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
2018年2月23日公開

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ

THE BEGUILED

PG12932018年2月23日公開

yab********

3.0

イノセントな女性たちの儚さ

 女性監督しか描けない世界。そう思った。光の加減とか、淡い色のドレスの使い方とか。寄宿学校の閉鎖的な空間を、耽美な世界に上手く仕立てあげる独特な感性。撮影監督も兼ねたソフイア・コッポラらしい。  寄宿学校の女性たちの微妙な感情の動きが、表情のアップできめ細かく描かれている。  寄宿学校に滞在することになった傷病兵の男の存在が、まったく浮いてしまうほどの女性たちの美しさ。  コッポラ学校の生徒でもあるキルステン・ダンスト(『バージン・スーサイズ』、『マリー・アントワネット』)やエル・ファニング『SOMEWHERE 』)が、マジスティックな女性の欲望を、抑制を効かせながら表現している。  コッポラ作品の『マリー・アントワネット』のコメディ性を廃して、ロスト・イン・トランスレーション(スカーレット・ヨハンソン主演)のけだるさを注入すると、こんな作品になるのかもしれない。  傷病兵役のコリン・ファレルの紳士的な感じからの変貌も見もの。  アメリカの南北戦争の時代設定だが、これが仮に中世の時代であろうが、現代であろうが、その普遍性は変わらない。そんなコッポラの演出がお見事。  『バージン・スーサイズ』の時もそうだったが、イノセントな女性たちの儚さは、やはりコッポラしか描けないと改めて実感した。

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