ここから本文です

女は二度決断する (2017)

AUS DEM NICHTS/IN THE FADE

監督
ファティ・アキン
  • みたいムービー 208
  • みたログ 672

3.62 / 評価:505件

行き場のない結末が観客を刺激します

  • abem0620 さん
  • 2018年4月25日 22時15分
  • 閲覧数 1048
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

 観終えた後は”虚しい”という気分しかありません。空虚なエンディング。確かに結末は是非を問われます。

 しかしそれと同時に、自分が同じ立場だったならどうしただろうと考えさせてくれます。
 映画作品としては行き場のない、虚しいエンディングでしたが、それだからこそ私たち観客(社会)には大いに開かれている作品です。
 何が開かれているかというと、議論や論争や思索です。

 まず思ったのは、こういうことです。
 これほど極端な事件でなくても、自分の愛する妻や夫や子どもが例えば行きずりの無差別殺人事件に巻き込まれたり、偶発的な事件の被害者となったりして、裁判で加害者が何食わぬ顔で無罪を主張しているとします。
 その加害者はどう考えても犯人であるはずなのに、裁判では推定無罪になってしまうことがあります。
 その時、自分は泣き寝入りしてしまうのか、それとも何か別の方策を考えるのか。はたまた自分自身の手で復讐を企てるのか…
 自分だったら、同じような結末を考えるかもしれません。

 そしてもうひとつ。
 制作者にとって最も重要なメッセージは、こうした無差別テロが多発する社会の根本問題を考えて、ということです。
 移民社会での対立、ネオナチの台頭、ISなどなどヨーロッパ社会の軋轢は強まっています。このまま対立や混乱、テロが進んでいくとどうなるのか…たぶんこの作品は、社会混乱が進んだ時に起きる、最悪そして究極の結末を暗示させているのではないかと思うのです。
 
 観終えた後、観客としては”虚しい”だけで気持ちの持って行き場がありません。がしかし、それだけにストレスのたまった観客たちの想像力を刺激してくれます。それが作り手の狙いだと思うんです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 知的
  • 絶望的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ