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女は二度決断する (2017)

AUS DEM NICHTS/IN THE FADE

監督
ファティ・アキン
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  • みたログ 619

3.62 / 評価:471件

止まった時間が動き出すとき

  • chu***** さん
  • 2018年5月12日 17時33分
  • 閲覧数 715
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

心はどこのあるのだろうと思うときがある。
心がズタボロにされるとき、真っ先に緊急停止する器官はどこだろう。
男性も女性も心が真っ先に繋げる器官は生殖器だ。
苦痛に縮こまり眠っていた子宮が再起動したとき、彼女は打ちのめされただろう。
我が子の時は止まってしまったのに、私の時は進むのか、生きるのか、と。
それは、彼女を決断させるのに十分な理由である。
ダイアン・クルーガーの演技は私の心を打った。

こうゆう作品にはケチをつけたくない。
演者よし。テーマよし。人物設定もよし。主人公の行動も変ではない。日本では特異に写る主人公も、誰もが被害者となりうる、だが、ちょっとしたはずみや、過去の生活態度が被害者を暗転させてしまうかもしれない。日本からみれば一捻りした被害者家族の姿は移民国家でもある現在のドイツのリアルでもあるのだろう。
また、加害者である息子を告発した父の姿は、多くのドイツ国民の苦しみだろう。

だが、んんんって思ってしまった。
この思慮の浅い弁護士はなんだ。
前科のある被害者の妻に覚醒剤を与えるって馬鹿か。
検察は、ネオナチよりトルコ移民が減るほうが嬉しいのか。
なんという茶番劇裁判。
何故、ギリシアの片田舎の宿帳1つで覆るんだ。
それと、釘爆弾。
父息子がDNA鑑定しか方法がないほど人体破壊されたのに、通行人は怪我だけで、建物の中の2人だけ死ぬってどうゆうこと。(窓際だったとしても)建物の壁面は破壊されておらず、長屋作りの両隣は被害なし。
一方向小さな窓だけに向かって爆風(&釘)が吹いたのか。
たぶん実際の事件をモデルにしているのだとは思うが、どうにも引っかかってしまった。

些末なことにケチをつけてしまったが、一見の価値ある映画であった。


(蛇足)
ネオナチによるトルコ人街爆弾テロ、でふと思い出した作品がある。
「Monster」
浦沢直樹氏によって20世紀に描かれた作品でネオナチによるトルコ人街焼き討ち事件が物語の中で描かれた。
20世紀にドイツで育ったトルコ人は立派なドイツ国民として社会で活躍しているだろう。
懸命に努力してドイツ国民として毅然と顔を上げて生きる彼らが、長じて更に未来が暗澹と感じるであろう世界に心が痛む。

だが、少なくとも、ルンゲ刑事なら、こんな脳足りんなネオナチの若者どもを見事にけちょんけちょんに理詰めで追い詰めてくれるだろうな、と、どうやってギリシアに行ったんだってね。ルンゲ刑事ならギリシアまで行って宿の極右のオヤジの偽証を暴いただろうな。そうすれば彼女もこんな決断をせずともすんだであろうと忸怩たる気持ちがよぎる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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