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女は二度決断する (2017)

AUS DEM NICHTS/IN THE FADE

監督
ファティ・アキン
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3.63 / 評価:481件

反転の海

  • 長谷川さん さん
  • 2019年3月8日 3時36分
  • 閲覧数 745
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

カティヤの心はどこにあったのか

1. 家族

叩きつけられるように悲しみは彼女を襲う。そこに移民である夫への謂れのない疑惑と両親間の溝を埋めずして結婚したが故、事件が起き露見する歪みがさらに抉る。いま必要である彼女の心情を慮ることを放棄し、必要のない傷を負わせる周囲の人たち。
家族。自分の家族を失ったカティヤの周りには幾度となく家族の影がちらつき傷心を掠めるように引っ掻いていく。

2. 正義

被告人の入廷 2人の抱擁とキスは主人公が失くした夫婦の形に訴えかけてくる。そこへ怒りを超え感情の塊が込められた視線を禍々しい音ともに投げつけられる。
そして司法解剖医、被告の父親、カティヤ本人とは相対的な心持ちと立場が映る。淡々と死体の損傷報告をする解剖医とカティヤを同じ画角に入れ、絶縁とあっても被告人の父親にもみえる親子の影に訊ねる。
監督談でサムライのタトゥーに言及してある部分がある。タトゥーは亡き主人への貞節の表れであり、チャーミングで頼りになる友人弁護士と自宅で2人きりでもコトに及ばなかったはそういうことだそう。
二つ目のパート 正義.この言葉は主に被告人弁護士に投げかけられているように思う。だが当事者である三人以外正義か悪かを知る者がいない以上、弁護士がどうしようがそれを咎める権利はない。人の数だけ正義があるという。
司法は「ゲスだ」
画面見切れる低い位置に映る被告人のカット あの高さと不気味な顔は特に印象強い。

3. 海

タンポン,命 家族の暗示となる血。いや、そこさえも捨て彼女は選ぶのであった。生命がちらつく小鳥で中断した1回目(偶然とまった鳥を撮っておいたそう)。衝動的、その場の感情による行為がカティヤには目立つ。留守電の再生を繰り返していたように、あの自殺は容疑者逮捕までの苦痛の時間と落ち続けることに耐えられなくなってのことである。彼女の母が離婚歴もあることから決して育ちが良いとは言えないであろう、麻薬やタトゥーからの素行の悪い点が性格に何らかの影響を与えたのかもしれない。一度目がああだったから彼女は感情任せであっても自制はできるのだと理解したが、それでも一晩経て 非常に抽象的な二度目の決断が彼女の中でなされた。
美しいとさえ思ってしまうラスト。いまここで何が起こるのか目を見開いて待っていた。これが彼女の答え 唯一見出した解決法、全てを無に帰し、0にする。「家族のもとに返してやる」自ら自分自身を家族、天へ返す、2人を連れて。

反転の海

揺さぶる。微かに自分の行く末 運命に気づいたような表情を見せながらも人間として忙しく呼吸し生きていることをカティヤが扉を開ける直前に見せてくる。海面も揺れる
形は無形

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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