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女は二度決断する (2017)

AUS DEM NICHTS/IN THE FADE

監督
ファティ・アキン
  • みたいムービー 212
  • みたログ 610

3.62 / 評価:468件

賛否両論ある幕引きであるには違いないが…

  • fg9***** さん
  • 2019年6月10日 15時53分
  • 閲覧数 324
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

…あらすじは、横着をして、解説の次のとおり。
 『ドイツのハンブルクで暮らすドイツ人のカティヤ(ダイアン・クルーガー)とトルコ移民のヌーリは、晴れてゴールインする。
 以前は麻薬の売買に関わっていた夫も結婚後はまじめに働き、息子にも恵まれて一家は幸せに暮らしていた。
 しかし、ヌーリの勤務先の前で爆発が起き、彼と息子が命を落とす。
 それがドイツ人によるテロだと知ったカティヤは……。』
 旦那と息子を殺されたカティヤの悲しみに胸が張り裂けそうになった。
 でも、カティヤが悲しみを癒すためか、ヘロインに手を出す姿を見て、それをやっちゃおしまいよ~とチョット引いてしまったことでもあった。
 警察の捜査が入って自宅からヘロインが発見されるが、少量だったのでお咎めなしのドイツ事情も腑に落ちなかったな。
 で、ネオナチの若い夫婦が容疑者としてあげられ、裁判になるのだった。
 カティヤも被害者の遺族(証人)として出廷し、容疑者の若夫婦の奥さんが爆破された建物の前に自転車を止めたところを目撃したと証言するのがった。
 重要な目撃証言かと思われたものの、案の定、弁護人からカティヤがヘロインの常習者であり、幻覚でも見ていたのではないかと一蹴されてしまうのだった。
 だから、言わんこっちゃないと思ったが、この弁護人は、様々な証拠に難癖をつける名人で、この弁護人の切り返しに遭ってあらゆる証拠が曖昧模糊にされてしまうのだった。
 敵さんながら、胸糞が悪くなるほどに舌鋒鋭い野郎で、本裁判の悪のヒーローさながらだったな。
 また、検視官が爆破被害にあった息子の遺体の損傷具合を報告するシーンがあるのだが、無機質な表情と口調で微に入り細に入り語るので、カティヤでなくても耳を塞ぎたくなった。
 容疑者の若夫婦の旦那の父親も証人として出廷し、自宅の納屋に爆弾を作る原料があったことから息子が犯人であると確信するのだが、これも弁護人に有耶無耶にされてしまうのだった。
 これらの裁判シーンは迫力があったが、結局、あれだけの証拠がありながらも推定無罪の原則に則り、無罪の判決が下されてしまうのだった。
 観ている方としても遣る瀬無さばかりが募ったが、夫と息子を殺された当事者のカティヤの無念さは計り知れないものがあっただろう。
 で、国の裁きが儘ならないのであれば、自らが悪党どもに鉄槌を下すという流れは復讐劇の常套手段だが、カティヤも無力感を憤怒に変えて容疑者の若夫婦の居場所を執念深く探し続け、遂に見付けるのだった。
 成敗の方法は、愛する夫と息子を殺された同じ仕様の爆死だ。
 NET等で爆弾の作り方を学習し、化学肥料、息子の身体を串刺しにした鉄釘を贖うのだった。
 で、そんなに容易く爆弾が作れるもんかいの~?と疑問に思ったが、そんな些細な事情はさておいて、容疑者の若夫婦の仮住まいのキャンピングカーの下に爆弾を忍ばせて、憎き容疑者どもの帰宅するのを木陰でジッと見詰めるのだった。
 これがタイトルの『女は二度決断する』の一度目だ。
 で、爆破寸前になって、怖気づいたのか、自分もテロリストと何ら変わらないという思い至ったのかは定かではないが、慌てふためいて爆弾を回収して思いを遂げるのを諦めるのだった。
 カティヤは口惜しさと遣る瀬無さを募らせるばかりだったが、そんなある日、彼女の弁護士から判決を不服とする上告の準備が出来たとの連絡が入り、また、事件以来止まっていた生理が復活するのだった。
 この生理の血糊の鮮血をあからさまに画面に映し出していたが、このシーンを結末のカティヤの行動とどう結び付けるかが評価のポイントかな?
 世界の汚穢たる存在のテロリストども。
 そんな奴らを断罪できない司法制度の汚穢。
 汚穢と知りつつも、手をこまねいている自分の不甲斐なさ。
 最愛の者を殺されて、なおも生に執着して汚穢を垂れ流す自分の醜悪さ。
 そんな汚穢のすべては木っ端微塵に粉砕して浄化してやる……な~んて、益体もない妄想に陥ってしまったが、いずれにしても、賛否両論ある幕引きであるには違いない。
 結末のカティヤの行動にはそれなりに納得し、その結論に至るまでのダイアン・クルーガーの喜怒哀楽の熱演は称賛に値し、流石は第70回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞しただけのことはあった。
 非常に見応えのあった作品で、3.8点といったところかな。

 (メモ 総レビュー数:3373件、2019年度203作品目)

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