4.0点
…あらすじは、横着をして、解説の次のとおりだけでイイだろう。 『第2次世界大戦の戦況悪化が原因でウイスキーの配給が止まり、トディー島の住人たちはすっかり落ち込んでいた。 郵便局長ジョセフ(グレゴール・フィッシャー)の長女ペギー(ナオミ・バトリック)と次女カトリーナ(エリー・ケンドリック)はそれぞれ恋人と結婚したがっていたが、周りからはウイスキーなしで結婚式はできないと激しい反発を受けてしまう。 ある日、大量の酒を積んだ貨物船が座礁し……。』 実話を基に映画化された1949年『Whisky Galore(沢山のウィスキー)』のリメイクらしい。 ウイスキーの配給が止まった時の島民たちの落ち込みようが笑わせてくれる。 「The island is dry(島に渇きがきた)」とまで言わしめるのだから、ウイスキーは「命の泉」同然なのだろう。 しかも、ウイスキーなしの結婚式なんてあり得ないとして、祝い事すらも打ち捨てられてしまうのだった。 日本でも、御神酒(三三九度)がなければ始まらないか? そんな打ちひしがれている時に、島の近海で貨物船が座礁するという事故が起きるのだったが、その積み荷の中に5万ケースものウイスキーがあると判明したので、これはもう、神様の贈り物としか思えないようになるのだった。 で、貨物船が沈没してウィスキーも海の藻屑と消え果てる前に回収しようとするのだが、島の民兵のワゲット大尉がこれを阻止しようと立ちはだかり、また、関税消費税庁も出張ってくるのだった。 果たして、島民たちは「命の水」にありつけるのか?はたまた、結婚式は無事に執り行われることが出来るのか??といったストーリーだ。 いやはや、島民たちのウィスキー愛は半端ではなく、作品の隅々にまでウィスキーの豊潤な香りが匂い立っていたな。 ナチス・ドイツの侵攻が猛威を振るっている時代なのに、なんてのんびりホンワカする話なんだろう……と観ている方までもホロ酔い加減になり、寛ぎ過ぎて微睡んでしまいそうになった。 登場人物たちも、立ち位置こそ異なるものの、ワゲット大尉、軍曹の母親も含めて、全員がイイ人なので、大笑いこそしないまでも、終始ホンノリと笑みを浮かべながら観ていられる作品だった。 2人の娘を同時に嫁に出す父親の愛情の細やかさもヒシヒシと伝わって来て、十分に観た甲斐があった3.6点といったところかな。 エンドクレジットで、「撮影中にアルコールは飲んでいません」とアナウンスしていたが、役者たちにとっても「命の水」だったろうから、そんな気遣いは、いらないってば~~~……クスクス……。 (メモ 総レビュー数:3466件、2019年度296作品目)