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名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん) (2018)

監督
立川譲
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  • みたログ 7,416

4.09 / 評価:5967件

最高傑作 シリアスな本格サスペンス

  • mrz***** さん
  • 2020年3月4日 10時33分
  • 閲覧数 513
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

全体として非常に良くできた作品。アクションと推理のバランスが良く、序盤から緊張感MAXだった。
今までの作品とは一線を画したシリアス・サスペンス調の出来で、題材が公安警察と、とても興奮・ワクワクさせられる内容で楽しめた。相棒の杉下右京、MOZUの倉木尚武が脳裏をよぎった。

公安ものを見慣れている私であっても、1回目見たときは、物語に追いつくのに必死で、理解するのが大変だった。相棒やMOZUを超えかねないほどのガチガチの本格警察アニメで、正直小学生のほとんどには面白さや醍醐味が見出せない。ところが、2回目以降見たときはまるで世界が違った。伏線が丁寧に張り巡らされ、登場人物の心情、行動理由が観客にしっかりと伝わるようになっており、何と緻密な構成なんだろうと感嘆してしまった。無駄なシーンが一切なく、全てのシーンがまるで一本の糸に繋がるような感覚だった。ああなるほどそういうことかと納得できる場面が1回目より確実に増えた。今作ほど2回見ろとオススメする作品はない。

理解できなかった人は、公安警察の中枢である警察庁警備局が、検察庁公安部より権力が強く、被疑者の送検をより優位に出来ることが分かればよい。これが今回の事件の主な動機なので。その点では、公安警察の言いなりになる岩井統括検事がいい働きをしているし、公安警察の権力に抗う橘弁護士は絶妙なポジションにいる。

なお、難解な用語が多くつまらないという理由で低評価を押している人が散見されるが、それは単に頭が悪いだけ、もしくは難しいことを考えようとしない愚かな人間による難癖である。観客にも分かるように用語の説明が入っているし、公安について多少予習すれば理解できないことはないはずである。確かに1回では理解するのが難しいかもしれないが、今作のような斬新な世界観を堪能できない視野の狭さ、知識の少なさには哀れみしかない。

江戸川コナンと杉下右京に優劣をつける意見についていくつか。コナンが杉下右京になれないのは確かに正しいが、両者の正義にはそれぞれの良さがあり、単純に優劣をつけるべきものではないと思う。コナンが安室透の違法捜査を許した描写もなく、「どうして小五郎のおじさんを巻き込んだの?」と安室に強めの口調で問い詰めているシーンでもわかるだろう。安室には公安としての正義があるのであり、国民一人一人の命よりも国全体の利益を優先するという信念に基づき、そのためならば手段を選ばないというだけのことであり、頭ごなしに否定すべきものではない。杉下右京なら絶対許さないかといえばそうでもなく、絶対的な正義と厳格な法治国家主義を持ちつつも、たびたび正義が暴走して違法捜査をするのであり、それが杉下右京という人物の魅力でもあるのである。そういう意味では、どの正義も尊重すべきであり、それこそが今作の主要なテーマではないだろうか?

結論として、脚本が素晴らしい。そしてコナン史上最高にカッコいいOPと細かい情景描写を作ってくれた監督にも感謝したい。印象的なのが、安室の公衆電話ボックスでの日の出、橘の表情の明暗を夕日で表現したこと、安室がモノレールに突っ込む時の狂気的な表情とライトによる明暗。作りが精巧すぎて、前作と興行収入で圧倒的な差をつけたのも納得。定期的にこの脚本家と監督のコンビでお願いしたい。

緋色の弾丸も同じ脚本家ですか。楽しみで仕方がありません。

詳細評価

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