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レディ・バード
2018年6月1日公開

レディ・バード

LADY BIRD

PG12942018年6月1日公開

hik********

4.0

もう一人の、フランシス・ハ

告白すると、さして期待せずに観たのですが、結論から言うと観て良かったと思える作品でした。 高校生の少女“レディ・バード”の卒業までの一年間を、慌ただしくも賑やかに、目まぐるしく描く青春ムービーです。 難点としては、そもそもがカトリック学校の、かつアメリカの受験戦争の話なので、どうしても日本人には分かりにくい。 更に元々、予定していた大長編のシナリオをカットせずにギュウギュウに詰め込んでいるので、ぶつ切りの編集になってしまっていて忙しない。 それでも、思春期ならではの心の傷みや焦燥をありのままに描き、一見、雑なように見えて実はとても繊細な描写になっているのは、ガーウィック監督の技としか言いようがない。 シアーシャ・ローナンを始めとした、時代のハリウッドを担うフレッシュなキャストの瑞々しい演技も作品に活力を与えており、 それを母親役の、ローリー・メトカーフの素晴らしい名演が温かく見守ってくれている。 “レディ・バード”の常に奔放で、周囲の抑圧から反発するような態度は、ガーウィック監督の出演作の「フランシス・ハ」を彷彿とさせる。 あれは青年期の女性の物語だったが、本作は高校生の少女の物語。 学生時代を終え、少女から大人へと成長する主人公と、その我が子を陰ながら見守る両親の愛を描く、実に万国共通の普遍的な、心温まる物語なのである。 上京の経験がある観客は、胸を熱くさせられること請け合いだろう。

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