ここから本文です

レディ・バード (2017)

LADY BIRD

監督
グレタ・ガーウィグ
  • みたいムービー 450
  • みたログ 1,262

3.69 / 評価:891件

解説

『フランシス・ハ』『20センチュリー・ウーマン』などの女優グレタ・ガーウィグが、自伝的要素を取り入れながら監督・脚本を手掛けた青春ドラマ。カリフォルニアの片田舎で生活している女子高校生が、さまざまなことに悩みながら成長していく姿を映す。『ブルックリン』などのシアーシャ・ローナン、ドラマシリーズ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」などのローリー・メトカーフ、『アンダーカバー』などのトレイシー・レッツ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などのルーカス・ヘッジズらが出演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

レディ・バードと名乗り、周囲にもそう呼ばせているクリスティン(シアーシャ・ローナン)。高校生最後の年に看護師の母マリオン(ローリー・メトカーフ)と進学先を決めるために大学見学に行くが、帰りの車中で地元のカリフォルニア州サクラメントから離れて都市部の大学に進みたいと言ったことから大げんかになる。それ以来、母と衝突を重ねる一方、親友のジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)とも疎遠になってしまう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC./Merie Wallace, courtesy of A24
(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC./Merie Wallace, courtesy of A24

「レディ・バード」“インディ映画の女王”の青春映画は、フレッシュでモダンな感覚がきらめく

 グレタ・ガーウィグ初の単独監督作となる「レディ・バード」は彼女の故郷、カリフォルニアのサクラメントを舞台とした青春映画である。時は2000年代初め。カトリック系の高校に通いながら都会に出ることを夢見るヒロインの境遇はガーウィグ自身のプロフィールと重なり、彼女が脚本を書き主演してきた作品の主人公の前日譚のようでもある。道で何かにつまずく映画のヒロインは少なくないが、ガーウィグが創造するヒロインはよく派手に転ぶ。「フランシス・ハ」のフランシスは道で走って転び、「ミストレス・アメリカ」のブルックはレストランを立ち上げようとして大失敗をする。「レディ・バード」のタイトル・ロールで本当の名前はクリスティンというヒロインも、登場して早々に走行中の車から飛び出して怪我をする。後先を考えずに疾走する、それがガーウィグの主人公なのだ。

 自らに“レディ・バード”という新しい名前をつけたヒロインは、高校の最終学年で失敗を重ねる。その過程で自分を見出していく彼女を丁寧に追うこの作品は普遍的なビルドゥングスロマンであり、あまりに自然なのでその新しさが分かりにくいかもしれない。しかし、低予算のインディ映画の女優・脚本家としてキャリアをスタートさせたガーウィグが青春映画に持ち込んだナラティブはフレッシュだ。自分自身の経験をきれいごとでパッケージしたり、定石に落とし込んだりしない、オート・フィクション的でモダンな感覚がそこにある。

 登場人物たちの身振りや、女性同士の関係性や会話の中には、今まで映画の中では描かれてこなかったような小さな真実が含まれていて、それがきらめいているのだ。シアーシャ・ローナンは若くして既にベテランの域に達しているが、にきびをメイクで隠すことなく、レディ・バードという女の子が持っている本質的な痛々しさを表現した本作のような演技は他の映画では見られないものだ。彼女と母親役のローリー・メトカーフ、そして親友役のビーニー・フェルドスタインとのシーンの一瞬一瞬が素晴らしい。(山崎まどか)

映画.com(外部リンク)

2018年5月24日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ