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ファントム・スレッド (2017)

PHANTOM THREAD

監督
ポール・トーマス・アンダーソン
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  • みたログ 989

3.52 / 評価:710件

パープルとグリーンとSMプレイ。

  • まあしい さん
  • 2019年1月11日 21時26分
  • 閲覧数 1207
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

一切、妥協のない美の世界を堪能いたしました。
さすがのポール トーマス アンダーソン監督。
今作では撮影もされているようですが、画面の構図も光の当て方も素晴らしく
どのシーンを切り取っても絵画のようでした。

ダニエル デイ=ルイスを主役にもってきたあたりは、イギリスのファッション界を舞台にして至極自然です。

パリだとできない、当時、ココ・シャネルが君臨してますから。

映画を観始めて、時代設定が大戦前なのか後なのかよくわからなかった。
登場人物のファッションに特徴がなく、主人公の作るドレスにも時代背景が出ていなかったから。

映画途中で「あの人はユダヤ人にピザを売って儲けたのよ。」っていうセリフがあり1950年代初頭なんだな。とわかりました。

ロンドンの著名な男性デザイナー、レイノルズが一仕事を終えた後、田舎のウェイトレスを見初め、自分のミューズとして自宅に連れ帰ります。

男性デザイナーには、ミューズと言われるモデルが必須ですが、そのモデルと恋に落ちて一緒に住むなんてことはあり得ない。
なぜなら、彼女の存在がデザイナーのインスパイアの源であるだけだから。すぐに飽きる。
疑似恋愛のような錯覚に陥ることはあるでしょうけど。

ファッションの世界の現実と全くのウソを巧妙に混ぜ合わせてストーリーが作られています。

どこに帰結するのかと思いきや、あまりにも世俗的な男と女の生々しいやり取りがあり、その後のレイノルズのデザイナーとしての地位の崩壊を示唆しながらの終焉でした。 時代は「シック」を求めて動き出している。
その時代を捕まえられないのは、嗅覚が衰えてきてるだけじゃなく自分の世界に女という異物を入れてしまったから。

PTAの作品群の中で1番わかりやすかった。

レイノルズがミューズとしたアルマ役を演じた女優。
まったくモデルに見えない。と、多くの人は思っていると思う。
だけど、終盤のダニエル デイ=ルイスとテーブルを挟んでの言い争いのシーンで大俳優を向こうに廻しての演技は、一歩もひけをとらず、むしろ彼女の迫力の方が上回っているように見えて、あの一瞬で主従関係が逆転する説得力のあるものだった。
あのシーンの為だけに彼女が起用されたのだな、と思うほどでした。

数々の素晴らしい本物のクチュール(半年で50着作ったらしい)の登場で、作り手側の苦労がしのばれる作品でしたが、PTA監督の中でもっともわかりにくく
全然理解できなかった「インヒアレント.ヴァイス」の方が私は気に入っているという皮肉。

ホアキンの瞳から流れた意味のない涙のシーンだけが忘れられない。


<余談>
デンマーク王女のウェディングドレスの完成品を見て、レイノルズは「醜悪」だと言って倒れますが、あのドレスは自分の今まで作ってきたものよりもシンプルで「シック」です。レイノルズは不本意ながらむりやり時代に合わせたものでした。
で、あのドレスは故グレース・ケリーが実際に着たウェディングドレスとそっくりですよ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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