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ジュラシック・ワールド/炎の王国 (2018)

JURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM

監督
J・A・バヨナ
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  • みたログ 8,314

3.61 / 評価:6729件

「命に対する責任」を問う良作

  • unt***** さん
  • 2018年7月13日 21時47分
  • 閲覧数 6838
  • 役立ち度 69
    • 総合評価
    • ★★★★★

前作は駄作に近い凡作といった印象だった。
寒い演出や、感情移入できないキャラクターたち、そして何より遺伝子操作で合成した恐竜をメインに据えたセンスのなさ(動物園でライオンとシマウマを合成した動物を観たいと思うだろうか)など、映像はすごいが、不満要素だらけだった。

本作はほとんど期待をしていなかった。きっと前作同様、上滑りするパニックムービーだろうと予想していた。ところが、意外に観客に考えさせる作品になっていて、いい意味で期待を裏切ってくれた。

前作より格段に良くなった理由は、テーマがはっきりしているからだ。

今作は前作の舞台となったコスタリカの島で噴火が起き、絶滅危機の恐竜を助けるかどうか人類に選択を迫るところからスタートする。人類は恐竜を見捨てることを決断するが、前作の主人公たちは恐竜を見捨てられず島へ向かう。

私は最初、恐竜を見捨てる人類側に共感していた。ジュラシックパークを過去4作品観てきて、恐竜は人間が制御できる生物ではなく、救ったところで再びトラブルの種となることが火を見るより明らかだからだ。

しかしその考えは物語が進むにつれて次第に変わっていった。今作は過去作に比べて、恐竜がただのモンスターではなく、私たちの身近にいる犬や猫、鳥などの動物と同じ生き物だと描写していたからだ。

そして映画中盤に訪れる、ある強烈なシーンによりこの映画のテーマがはっきりする。島で起きることについては、ネタバレになるので詳細を控えるが、そのシーンでは、登場人物たちが「命に対する責任」に苦悩し、茫然とする。とてもショッキングな場面で、私は泣きそうになってしまった。

これだけ感情移入できるのは、人間が作り出した生き物に対して、いかに罪深いことをやってきたか、心の奥で気づいているからだと思う。

恐竜は人間がDNAを元に創り出した生物だが、人間が創り出した生物は身近に沢山存在する。例えばダックスフントやブルドックは、意図的な交配により生まれた生き物だ。しかし人間が生み出した種は、流行り廃りや生活習慣の変化が原因で、行き場を失い、保健所などで大量に処分されている。人間は創り出した命に対して、非常に無責任な存在なのだ。

本作ではそうした「命に対する責任」をどう取るか、何度も問いかけ、選択を迫ってくる。このテーマはジュラシックワールドに非常にマッチしている。なぜなら相手はダックスフントやブルドックではなく、力のある恐竜だ。反撃を食らう可能性があるからこそ、その選択の重みが強調される。

もちろん不満点がないわけではなく、相変わらず雑な描写も存在するが(主人公や恐竜がタフすぎるところなど)、しっかりとしたテーマにより、作品に筋が通っているため、前作に失望した人も楽しめる作品になっている。残酷な描写もあるが、優れたテーマ性があるため、子供にも観てもらいたい。

詳細評価

物語
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