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響-HIBIKI- (2018)

監督
月川翔
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  • みたログ 4,002

4.00 / 評価:3526件

私は私が書きたいから書くの。

  • bwa***** さん
  • 2021年1月2日 16時31分
  • 閲覧数 368
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

平手友梨奈さんの圧倒的な存在感です。
彼女が所属していた欅坂46が彼女が脱退してから急にパワーを無くして櫻坂46に改名せざるを得なくなった事からも、この平手友梨奈という人物のカラーが強烈なのがうかがえます。

最初は友人の有名作家の娘が才能のある響の作品を盗作するストーリーなのかと思っていました。同級生とのラブコメ的な要素のアイドル映画なのかと。しかし、全く違う話の展開になっていきました。

平手友梨奈さん演じる鮎喰響が小説を文芸雑誌「木蓮」の新人賞応募し、響の作品「お伽の庭」が新人賞に選考されます。この作品で新人賞を受賞すると自動的に芥川賞候補にもなり、響の「お伽の庭」は見事新人賞を受賞します。同じ文芸部で部長の祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)は村上春樹を連想させる高名な作家祖父江秋人の娘です。凛夏は父の事もあり小説「四季降る塔」は出版されることになります。「四季降る塔」は父の事もあり、ヒットしますが芥川賞にノミネートされるのは響の「お伽の庭」になります。芥川賞候補にもなりますが、同時に直木賞候補にもなります。15歳で二つの賞にダブルノミネートされるのは奇跡的な事なのですが、結果芥川賞、直木賞ともに受賞します。
受賞パーティーの時、以前から響を取材している矢野浩明(野間口徹)から編集者花井ふみ(北川景子)の事を取材記者のいる前でバカにされるような事を言われ、許せなくなった響は暴行をしてしまいます。
この事が原因で単行本化の話もなくなってしまう。

この響という人物。なんだかわかりませんがメチャクチャ力が強く喧嘩っ早いです。自分の理論に反していると思うとそれがどんな高名な作家だとしても関係ありません。
あと小説はすごく好きでだいたい一日一冊ペースで読んでいて、小説の知識も半端ではありません。
なのでどの作家に対しても作品に対してきちんと感想が言えて、駄作しか書いていない作家には「つまらなかった」とはっきり伝えてしまいます。
矢野が執拗に写真を撮影し、平気でプライベートに踏み込んだ質問をした時にカメラを取り上げ、トラックに轢かせてしまいます。そのあと矢野のあとをつけ、矢野のプライベートに踏み込もうとします。記者はプライベートを隠すのに、取材される方はプライベートをさらして良いのかというマスコミ批判も感じられます。
まず本当だったら新人賞の授賞式の時に同じ新人賞を同期受賞した田中康平(柳楽優弥)を壇上で殴打した時点で終わりでしょう。
この響という人物には正論しかありません。世間を生きるには諸事情というのがあり、一定のルールの中で生活しなければならないという事を見事に裏切ってくれています。どこかこの人物に爽快感さえ覚えるのはそんなところもあるのでしょう。

ちなみに芥川賞は新人作家が書いた中・短編の純文学作品に与えられるのに対し、直木賞は中堅作家が書いた短編から長編の大衆文芸作品に与えられる賞だそうです。60年前にダブルノミネートされたのは、松本清張の『或る「小倉日記」伝』で、結果直木賞のみ受賞となったそうです。

何かツボにハマっていいと思ったシーン。街中のエキシビジョンら映し出される映像に響のダブル受賞が流れるシーンで一般人が響の受賞を否定しています。そこに偶然居合わせた田中が言います。
「あんたら読んだのかよ。読んでもない奴が批判すんじゃねぇよ。俺はあれ読んで、心が震えたよ」
きっとこの後も田中は作家とあり続けると思いました。

動物園のシーンで屈託なく笑う平手さんが描かれています。僕にとってはとても意外で、この子笑うんだと思いました。欅坂の時の平手友梨奈というキャラクターすら大人たちが作り上げたキャラクターなのかと思いました。

破滅的な作家は何人かいたと思いますが、この子は段違い。ラストのどんでん返しは凄かったです。何だか分かりませんが、涙が止まりませんでした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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