原作☆1、映画☆4
- muy***** さん
- 2018年9月18日 0時42分
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- 総合評価
原作はクソ。無料期間分五巻までだけ読んだが、徹頭徹尾、妄想と幻想の類いのチート天才の奇行。
周囲が褒め称え、持ち上げるしか天才の証明のしようがない。そもそも主人公の名前が中二病、その天才様の書いた本の題名もすべてラノベテイスト。
しかも絵も下手ときては、こんなのが漫画賞だなんて一体どうしたんだろうと思った。
そんなどうしようもない話を、映画はそこそこのレベルまで押し上げた。
ヒロインの存在感が、天才の根拠に説得力を与えている。
造り手の本に対するリスペクトもちゃんと感じられる。(原作には一切感じない)
響の暴力は、ひるがえっては最初に被害者本人が他人に無遠慮に投げ掛けた、自分自身の言葉の暴力が、物理的な形となって自分に帰ってきた結果だ。
皆、そうなってはじめて驚き、怒り、恐怖し、そして己をかえりみて黙考する。
ある程度、社会的に上の立場にいる者ならば、ストレスがあるからといって、またはマスコミという肩書きあるとして、言い返せない立場の者に対し、どんな無礼も許されるのかという疑問、この作品はある種の一石を投じている。
(このような要素も、原作には一切感じない。)
この映画のテーマをそこに絞ったのが、高評価の遠因だろう。
響本人は己の天才ぶりには無意識で、賞にも一切の執着がない。なので嫌味がなく、純粋さが際立つ。
いわばこのダブル受賞の天才小説とやらは、響という純粋無垢な少女そのものを象徴する小道具、稀有な存在を光輝かせるファクターにすぎないのだろう。
現実味がないのがかえって良い方向に働いている。
そう思わせる演出を巧みに展開した監督もよし。
ただこの映画は主演女優の強烈な個性なくしてはありえなかったのも事実。
子供がどうしても見たいとせがまなければ、絶対に見に行かなかった。
それぐらい、原作がくだらなかったし、鬱々として映画館に足を運んだ。
原作を見てサブイボと拒否反応と反吐が出た人は、むしろ一見の価値ありだと思う。
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