わかった上で観てきましたが。
- st1***** さん
- 2018年6月12日 15時46分
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- 役立ち度 14
- 総合評価
劇場がまるでお茶の間のように、おばさんたちが「あら!」とか「えー!」とか声に出してリアクションしながらみなさん楽しんでいらっしゃいました。
そういう方々に支えられて成立しているシリーズですから、その会話劇やズッコケについて全然面白いと思わないとか言うつもりはまったくありません。
ただこの監督、根っこにある意識で気になる点があり、それを確かめに観てきました。
前作では、道路工事で車を誘導する仕事をしていた友人に対して「あんな仕事するなんて」というセリフが引っ掛かりました。それは単に年齢的な意味で体力的にしんどいだろうにというつもりで言ったのかもしれません。
でも本作であらためて、この監督にはやはりどこか差別意識があると感じてしまいました。亭主関白とか大人げない旦那、頭の固いおじいさんの典型的な言動を逆手にとって笑いにしていたにも関わらず、家出した奥さんに戻ってきてほしいと思う家族の気持ちは、愛でもなく、絆でもなく、単に「いないと不便」という男たちの身勝手な理由にしか思えなかったのです。
せっかく世情を反映したテーマ(本作で言えば墓の問題や考え方、老人ホームのことなど)をとりあげ、世代的には身近で共感することも多く、「家族ってなんだかんだあってっもやっぱりいいよね」的な着地ではあるのですが、つまるところ「見かけ倒しの家族」にしか見えないのはなぜなんでしょうか。
「万引き家族」のほうが、偽物の家族なのに、はるかに深い愛や優しさを感じられました。まあそういう設定のフィクションですから比較しても何の意味もないですが。
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