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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー (2018)

MAMMA MIA! HERE WE GO AGAIN

監督
オル・パーカー
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3.89 / 評価:2,165件

「マンマ・ミーア!」10年ぶりの続編

今回取り上げるのは、昨年8月に公開された『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』。前作の公開が2009年1月だから、約10年ぶりの続編という事になる。興行収入は6億9千万円で、前作の26億円に比べると大幅ダウンとなった。前作の主役ドナ(メリル・ストリープ)は本作では既に死んだ事になっていて、ストリープの出演場面もフィナーレ部分だけなので無理もない。
本作は二重構成になっていて、ドナの娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)がギリシャのカロカイリ島を舞台にホテルをリニューアルオープンさせる現代パートと、大学を卒業した若きドナ(リリー・ジェームズ)がカロカイリ島を訪問し、紆余曲折の末にソフィを出産して定住を決意する過去パートに分かれる。現代と過去が交錯する作りは「ゴッドファーザーPARTII」のようだ。

「マンマ・ミーア!」の前作は封切り時に映画館で観た。メリル・ストリープが宣伝のため来日して、試写会には美智子皇后も出席した。今でもネットで検索すると、美智子さまとストリープのツーショット写真を見られる。さすがの大女優ストリープも、美智子さまとの懇談では緊張した顔をしている。平成時代が終わろうとする今、歴史的なツーショットであろう。
劇団四季の舞台は2011年の3月に竹芝の専門劇場で見た。この時は東日本大震災の混乱が続いており、何かを楽しむ心境にはなれなかったが、以前から予約していたので、せめてもの気分転換をと思って連れ合いと一緒に見に行ったのだ。舞台では大震災への言及は一切なく、かえってこんな時だからこそ楽しい芝居を提供しようという劇団四季の心意気を感じさせた。

舞台で歌われたABBAの曲はもちろん日本語で、「マネー・マネー・マネー」の「ザッツトゥーバッド」というフレーズが「ひどいね」と歌われたのを覚えている。劇場のロビーは節電のため薄暗く、義援金の募金箱があったので、わずかながら寄付させて頂いた。この時期に劇場や映画館を訪れた人は、誰もが似たような経験をしたのではないだろうか。
メリル・ストリープ自身は、2001年の9.11テロの直後に「マンマ・ミーア!」の舞台を見て落ち込んだ気持ちが慰められ、後に映画版への出演を引き受けたのは、この時の経験があったからだという。「ダンシング・クィーン」は能天気な歌詞だが、多くの人々が打ちひしがれるテロ事件や大震災の時にこそ、傷付いた心を癒す効果があるのかも知れない。

他の出演者についても見てみよう。主演のアマンダ・セイフライドは前作の後「レ・ミゼラブル」でコゼットを演じ、一気に時代の中心に躍り出た。しかしコンスタントに出ているものの、この2作の印象が強すぎてちょっと伸び悩んでいる感じがする。もう一人の主演が若きドナを演じるリリー・ジェームズで、昨年公開されたチャーチルの映画で非常に好感の持てる役を演じていた。
ソフィの祖母ルビーを演じるシェールと、ルビーが思いを寄せる男を演じるアンディ・ガルシアはいずれもゲスト的な扱い。かつて007を演じたピアース・ブロスナンがすっかりお爺さんの顔つきで、時代の経過を感じさせた。僕はABBAについて詳しくないが、レストランでピアノを弾く年配の男性が妙に目立っていたので、この人がABBAのメンバーらしい事は分かった。

楽曲についてだが、前作と違って僕の知っている歌は「恋のウォータールー」と、前作でも歌われた「マンマ・ミーア!」と「ダンシング・クィーン」の3曲しかなかった。「恋のウォータールー」はナポレオン風の格好をしたダンサーが出てくるのが面白かった。連れ合いと一緒に観たが、連れはABBAのアルバムを持っていたそうで、僕の知らない曲を盛んに口ずさんでいた。
観終わった連れ合いの感想は「ああ面白かった」と。「でも面白いのは歌がいいからだよね。ストーリーは大したことない。何人もの男と関係を持つなんて・・・」と語っていた。この後、僕との間でABBAの歌について大いに盛り上がった。「恋のウォータールーって、ワーテルローの戦いの事だよね。戦いの一方がナポレオンなのは知ってるけど、相手は誰だったんだろう?」って感じで・・・。

ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スタルスガルトの若い頃がみんな別の俳優で演じられるので、誰が誰に該当するのか、何せ前作から10年近く経過しているので区別が付かずに戸惑った。現在と過去が目まぐるしく入れ替わるのだが、セイフライドとリリー・ジェームズの区別はできるので、何とか付いて行く事ができた。
「ダンシング・クィーン」が歌われるシーンは、それまでは僕が知らない曲が多く「自分はABBAについて不勉強だったな」とモヤモヤした気持ちを抱えていただけに、最高にスカッとさせてくれる。観た後に何か残る映画ではないが、ストレスをいっとき解消できる優れた娯楽映画であることは確かで、私的評価は★4つとなった。

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