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カメラを止めるな! (2018)

ONE CUT OF THE DEAD

監督
上田慎一郎
  • みたいムービー 1,883
  • みたログ 2.1万

4.09 / 評価:17840件

一見ドタバタコメディー、実は超緻密な傑作

  • sam***** さん
  • 2018年7月7日 23時36分
  • 閲覧数 20448
  • 役立ち度 251
    • 総合評価
    • ★★★★★

何ともすごい映画である。
作品構成は一見単純だ。
ゾンビ映画をワンカットで撮りそれを生放送する企画と、その作品の制作過程を1ヶ月さかのぼってコミカルに描く。
ただこれだけなのだが、そのディテールまでのぞき込むと、実はこれが一筋縄ではいかない。

まず驚かされるのは、冒頭延々と続くB級ゾンビ映画。
これが本作の幹となる劇中劇なのだが、実に37分間ワンカットで見る者に攻めてくる。
ワンカットだからシーンによっては雑に見えたり、どうにも腑に落ちないシーンなど、観客は様々な印象を受けるだろう。
このワンカット映画がエンドロールを迎えると、本作が本格的に始まるという寸法だ。

さかのぼること1ヶ月前。
このワンカット映画の企画が立ち上がり、監督をはじめとするスタッフ陣、そして出演者達が決まっていくが、さらに重要なのは、監督の妻と娘…。
そして迎えるクランクイン…。

30分のワンカット映画を今度はその裏側から、つまりスタッフとキャスト側から観客達はのぞき見るのである。
もう、そこからは冒頭の37分間で抱いた疑問や腑に落ちなかったことが、気持ちよく解決していき、一種の快楽に近い感覚を覚えるほどだ。

本作をひと言で言えば、ゾンビ映画を劇中劇に添えたドタバタコメディー。
しかし、本作が持つ緻密さは、凡百の映画を簡単に凌駕する。
これは偏に脚本が非常によく練られているからに他ならない。
そして巧みな編集が見事なスピード感を生み、観客を至福の空間へ誘ってくれている。

東宝でも松竹でも東映でもなく、マイナーなインデペンデント・プロダクション、そして制作費は300万の低予算。
それでも、完成度の高い映画は作れることを本作は見事に証明している。

文句なしの傑作である。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

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  • 不気味
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