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家族のはなし (2018)

監督
山本剛義
  • みたいムービー 66
  • みたログ 163

3.50 / 評価:125件

産まれた場所で根を張って生きるのもイイ

  • fg9******** さん
  • 2020年3月24日 10時45分
  • 閲覧数 843
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

…レビュー数は、未だ8件のみだ。
 あんまり人目に付かない作品なんだな。
 …あらすじは、横着をして、解説の次のとおりだけでイイだろう。
 『幼いころはスポーツで神童と騒がれたが、怪我で進む道を失った拓也(岡田将生)は、リンゴ農園を営む両親のもとを離れて東京で暮らしている。
 彼は大学生活の傍らバンド活動に熱中しプロを目指して挫折し、自分に苛立っていた。
 ある日、久々に帰郷した拓也は「父親が大好きだったころの自分」と出会ったことで、両親の愛情に気づく。』
 ~親の心、子知らず~の典型のような作品だった。
 親から仕送りを貰いながら、無断で大学を辞めてバンドでメジャーになろうとする拓也だったが、最近では思うような楽曲が出来ず、クライアントからも見放される始末だった。
 そんな折、父親(時任三郎)が入院したとの報せを受けて帰郷したが、父親は単なる検査入院しただけで、いつもどおりに林檎農園で元気に仕事に精を出しているのだった。
 母親(財前直見)は拓也の好物のメンチカツを作ってくれて歓待してくれたが、バンド活動が上手くいっていない彼は、そんな両親の優しさに苛立つばかりで、つい父親に対して、「何もない田舎で、毎日毎日同じことを繰り返しているだけの、つまらない人間だ!」と八つ当たりしてしまうのだった。
 息子から思いもよらぬ罵声を浴びせられた父親の打ちひしがれた姿は可哀想だったな。
 誰のお陰で大きくなって大学まで進むことができたのか?
 拓也は、そんな当たり前のことにも思い至らず、差し迫った自分のことにしか関心が及ばないのだった。
 ぎくしゃくした思いを残したまま、拓也は上京すべく故郷を後にする。
 バスの中で、実家からの手土産の一つの箱がバスの揺れに転がり出す。
 それを徐に拾い上げて検めると、中からは拓也のこれまでの生きてきた証の新聞記事の切り抜きが一杯詰まっていたのだった。
 古くは陸上大会での表彰台に満面の笑みを浮かべて立つ拓也の写真、バンド活動で華々しくデビューした時の記事などもあったが、大学から実家宛の拓也の退学通知の案内まで納められていたのだった。
 両親は、拓也のすること為すことの一部始終を知りながら、一言も拓也を問い詰めることもせず、彼が自ら窮地を切り開くことを温かく見守っていたのだった。
 この場面は、拓也でなくともウルウルとしてしまったが、この後の父親による「林檎文字」の応援歌はベタベタ過ぎるきらいがあったものの、朴訥な父親による精一杯の愛情表現であると思うこととした。
 オイラも既に小4を筆頭に3人の孫を持つ身になってしまったが、未だ故郷の90歳のお袋から、月に2回程度「元気にしてるかい?」という電話がかかってくるのだった。
 忙しい時には、五月蝿そうに生返事でしか応対しないが、親にとっては幾つになっても腹を痛めた子供なんだな。
 電話を切るたびに、次からはもっと労りの言葉をかけてあげようと思うのだが、いつだって気持ちとは裏腹の不愛想な返事しかできないのだった。
 案外、それが我が家の平穏な?ルールかも知れないのだが……。
 オッと、話が横道に逸れてしまったが、主要登場人物としてはもう一人いる。
 拓也と同年代の幼馴染の明日香(成海璃子)だ。
 普通、オデコが広いと愛らしく感じるものだが、彼女のオデコは狭すぎてもキュートなのだ。
 彼女は、地元に居残ってのJAの職員だ。
 そんな彼女が拓也に次のように言う。
 「産まれた場所で、根を張って生きるのもイイものよ」
 この言葉が一番胸に届いたな。
 こんな人たちが日本の将来を支えていくのだろう。
 原作の鉄拳のパラパラ漫画も効果的に織り込められており、使い古されたテーマではあるが、来し方を懐かしく振り返らせてくれる作品で、非常に愉しめた3.4点といったところかな。

 (メモ 総レビュー数:3628件、2020年度71作品目)

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