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エマの瞳
2019年3月23日公開

エマの瞳

IL COLORE NASCOSTO DELLE COSE

PG121172019年3月23日公開

bakeneko

5.0

ネタバレハンディキャップではない、個性なのだ!

盲目の女性とプレイボーイの恋を現実的な問題から逃げずにリアル且つ詳細に描き切った作品で、イタリアらしく “性の問題”も正面から見据えている―恋愛映画の佳作であります。 障害者を“一般人には見えない真実が判る聖なる者として寓話化する”または、“ハンディキャップに負けず頑張る人として賞賛すると同時に彼らを受け入れる自身の寛大さに酔う”―健常者に都合の良い作劇パターンから逸脱して、ハンディキャップを持つ普通の人の恋愛と人生をリアルな眼差しで活写している作品で、医学的には“障害”として定義される盲人の普通の日常の喜怒哀楽を等身大に描きながら、恋愛の推移で物語に引き込んでくれます。 「はなれ瞽女おりん」、「暗くなるまで待って」、「セント・オブ・ウーマン」といった作品でも、眼が見えないことの欠点と利点が活写されていましたが、本作も盲人の日常と感覚の差が提示されますが、同時にそのことに左右されない人間としての感情もきちんと描かれていて、盲目であることを“普通の恋愛障害”の一つとして映し出しているところが出色のドラマとなっています(精神病を一つの個性として描いたイタリア映画:「人生、ここにあり!」に通じるものがあります)。 視覚に障害があるだけで、普通に恋し性的欲望もある―等身大の女性と、対家族コミュニケーションに難があるプレイボーイの中年同士の恋を、相手のハンディキャップを素直に認めながらも人間的な価値に重きを置いて活写してゆく作品で、どうなるか予断を許さない主人公とヒロインのカップルに加えて、弱視の親友やヒロインが家庭教師をしている娘まで脇の人物もよく描きこまれていますよ! ねたばれ? 字幕では省かれましたが、ヒロインはフランスに住んでいたことがあるからフランス語が堪能なのです。

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