レビュー一覧に戻る
ブレス しあわせの呼吸
2018年9月7日公開

ブレス しあわせの呼吸

BREATHE

1182018年9月7日公開

fg9********

4.0

ネタバレ素晴らしい人生だった!

…あらすじは、横着をして、解説の次のとおり。  『1950年代、周囲の人々からの祝福を受けながら結婚したロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)だったが、ロビンがアフリカでポリオに感染して首から下がマヒし、人工呼吸器なしでは生きられない体になってしまう。  イギリスに帰国し息子が生まれたロビンは、病院から出ることを希望する。  医師からは反対されるが、ダイアナは自宅での看病を決意する。』  ダイアナの行動力の強さには圧倒されっ放しだ。  息子が産まれたばかりなので、病院へ見舞いに行くだけでも大変なのに、重度の身障者を自宅に引き取って介護しちゃうというのだから、並大抵の苦労じゃなかっただろうな。  しかも、ロビンは人工呼吸器なしでは生きていられない身体なので、片時も心の休まる時はないのだ。  それでも、ダイアナは「あなたの命は、わたしの命なの」と、自らの生きる糧にして朗らかにポジティブにロビンを介護し続けるのだった。  ロビンは、牢獄のような病院生活を送るくらいなら死んだ方がマシだと思っていたので、ダイアナの愛情と尽力によって、次第に持ち前の明るさを取り戻していくのだった。  そんなある日、息子のジョナサンが愛犬と遊んでいる時、誤って人工呼吸器のコンセントが外れてしまうというアクシデントが生じ、間一髪で死なずに済んだものの、こんな危ういことは日常茶飯事だったろうな~と苦労が偲ばれたことでもあった。  話は変わって、ロビンの友人たちもイイ人ばかりだったな。  彼らがロビンを助けるのは、彼らにとってロビンが必要だからであり、彼らの生きるよすがともなっていたのだった。  そんな彼らが、ロビンに外の景色を見せてあげようとして、人工呼吸器付きの車椅子を開発してくれたのだった。  これでもう、牢獄の世界ともオサラバとなり、発症時に「余命数カ月」と宣告されたロビンだったが、四肢麻痺患者として、ドイツの医療機関に出向いて啓蒙活動を行い、関係者の大勢集う会場でスピーチを述べるまでに逞しく生き続けるのだった。  それに反して、ドイツの最新鋭の医療施設に収容されているロビンと同じ病状の患者たちの扱いは寒々しい限りだったな。  身体全体をステンレスの箱に覆われ、首から上だけを外気に晒しているのだが、それらが幾人も壁に埋め込まれている状景は、正しく、遺体安置所のようでゾッとしたことでもあった。  一方のロビンは、人工呼吸器付きの車椅子を荷物扱いにして、飛行機でスペインへと旅行を楽しんだりもするのだった。  案の定、ピンチは訪れたものの、そのピンチも友人たちと現地の人たちに支えられて、愉快な旅の想い出として満喫してしまうのだった。  そんなポジティブに人生を謳歌して36年目だったか、長年人工呼吸器に頼り切っていたロビンの肺は、遂に草臥れ果て、肺血種を起こして夥しい量の吐血を繰り返すようになるのだった。  ダイアナの懸命な看護も限界に達しつつあったので、ロビンはある決断を下すに至るのだった。  尊厳死だ。  無論、ダイアナも息子のジョナサンもお抱えの医師も協力しての実行だ。  生前葬ならぬお別れパーティーまで開催するのだから恐れい入った。  生きているうちに、意識がしっかりしているうちに、身内と友人たちとの渾身のお別れ会だ。  悲しい筈なのに、苦しい筈なのに、寂しい筈なのに……でも、別れを告げる方も、別れを告げられる方も、悲しい・苦しい、寂しいだけの涙ではなく、36年間リスペクトしあった温かい涙を浮かべながら、お互いの最後の逢瀬を慈しみ合うのだった……といったストーリーだ。  「ただ生存するのではなく、人生を生きるために生まれてきたんだ。素晴らしい人生だった!」と述懐するロビンの閉じていく瞳には、一点の曇りもなかったに違いない。  序盤の展開から、難病お涙頂戴もののアルアルストーリーを予測していたが、重度の障害にも関わらず、本人・家族・友人たちがこぞって終始ポジティブな心情で立ち向かっていくので、これぞ、ザ・映画!という作品だったな。  また、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなどのプロデューサー、ジョナサン・カヴェンディッシュの両親の実話というのも驚きだったが、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラムや『猿の惑星』シリーズのシーザーなどで知られる俳優アンディ・サーキスの監督デビュー作ともあったので、こりゃ、もう、4.2点ぐらいあげるしかないだろう。  (メモ 総レビュー数:3568件、2020年度11作品目)

閲覧数1,313