ここから本文です

あの頃、君を追いかけた (2018)

監督
長谷川康夫
  • みたいムービー 239
  • みたログ 756

3.56 / 評価:678件

久しぶりに劇場でガッカリした映画

  • thr***** さん
  • 2018年12月6日 13時59分
  • 閲覧数 2426
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず初めに、私は大の坂道ファンだ。
しかしその前に大の映画ファンだ。
私はこの作品に高評価をつけることは出来ない。
評価を偽ることほど映画に対する冒涜はないからだ。

前置きはここまでとしてこの作品が悪いのは
1位 監督(制作陣)
2位 俳優部
作品のつまらなさは他の方が語られているので私はより細かい部分を語ろうと思う。

まず演出の酷さに呆れ返る。
脚本家と監督はもうちょっとジュブナイル系の名作映画や脚本勉強されたら如何ですか?
最初のリンゴまる噛じりシーンのキメ顔カットから嫌な予感が…。
高校生シーンに切り替わり自転車で登校すると友人たちが合流して人物紹介となるが、まずここの微妙な不自然さを感じ取れる人は映画をちゃんと観てきた人か人間観察力がある人だろう。
浩介が秋山と合流する挨拶の仕方からもう予定調和、段取り感が見て取れる。そこで会うのが分かっていたかのようだ。

台詞もそうだ。真愛の台詞の言い回しが変なところが多々ある。
所謂脚本言葉だからだ。「~よ」「~だわ」全然自然な言い回しになっていない。
野暮な脚本でも普通は役者が節を付けたり、言いやすくアドリブで変えたりして対応するが飛鳥の場合まだそれが出来るスキルもないし、新人なので勝手に変えるのも気が引けるだろう。だからそこに気を配るのも監督の役目なのに全く出来ていない点でも演出が悪い。
(ただ驚くべきことに山田君だけは台詞を自分のモノにしていた。
よく聞くと文章語なのだがキャラクターに合わせたニュアンスの付け方で見事に違和感を消している。これには感心させられた。)

また、これも飛鳥だけが悪いのではないがカットが変わると表情が違って一連のシーンが繋がっていないところがある。
例を挙げれば教科書を忘れた真愛に浩介が無言で渡すシーン。
受け取った真愛は当然 驚くとか戸惑う演技をしなくてはならない。
ところがカットが変わり先生に叱られ立ち上がった浩介の後ろに映る真愛の表情は真顔、そしてカットが変わると驚いてる表情のアップ。
全然一連の演技が繋がっていない。
これは本来監督が気づいて役者に注意すべきだし、役者側も撮影の順番が違えど毎回気持ちを込めて同じ演技をするよう努めるべきなのである。

そしてキャスティングもどうにかならなかったのかと言いたい。
女教師は何故あんな威厳のない若い女性に設定する必要がある?結構登場する重要な役なのに。(女優さん自身は一生懸命演じてたと思う)

町田くん、運動神経抜群で幼少から筋トレして格闘技も得意のはずなのに何故あんなヒョロヒョロなの?

そして真愛の花婿、なぜなんだ…。飛鳥が童顔だから余計に犯罪臭が凄い。
(まぁこれに関してはキスしたくないような男にも思いっきりキスしてしまうほど浩介は真愛を愛してたという演出のために彼がキャスティングされてるんだとは思うけれども)

あと、やたら格闘シーンが出てくるがレベルが低いというかアクション監督つけてんのか?と言いたくなる。
エンドロールを見ると殺陣師はいたようだったが。

それと地震に関しては台湾版にあったから入れたのか?
震災を体験した身としてはああいった映画のマクガフィンとして地震を使うことに嫌悪感を覚える。結局2年越しに電話するきっかけのために地震が使われた訳だ。
加えてあの長電話が決定的だった。震災時の電話は緊急時以外なるべく使用しない事は震災大国の日本では常識だと思っていたが?
たらたらモラル違反しながらロマンスかよ…。
フィクションに現実を持ち出すのは俺も好きじゃないがどうしても気になってしまった(多分多くの人は何とも思わずスルーしたんだろう)。

さて、まだまだあるが一冊本が書けそうなのでこの辺にする。


この映画の唯一の希望は「山田裕貴」という俳優の煌きだ。
彼の本気さが画面からほとばしっている。
彼に対しては何も文句が無い。これほど素晴らしい役者がいるということを知らしめただけまだ意味がある。
台詞、挙動全てに役が乗り移っている。恐らく思考まで浩介に成り切っている。
言い回し、演技の抑揚の付け方、もう見事としか言いようがない。
舞台挨拶で泣いた訳も分かるほどの情熱を感じた。だからこそ他の演者が彼レベルの演技に付いてこれていないのが悲しかった。
みんな下手ではない。だが山田(ギリギリ松本穂香も)のレベルとはかなりの隔たりがある。
彼が頑張れば頑張るほど他の役者の演技の粗が見えるという皮肉な結果になってしまった。


とにかく例を挙げれば暇がないほど違和感が多々感じられる映画だ。
それはオリジナルの台湾版に変に寄せようと引き摺られたことが原因な気がしてならない。
確かめるために台湾版も観てレビューを改稿するつもりだが現時点ではこの評価にさせて頂く。

ただのアンチと思われると嫌なので根拠を述べたらこんなに長くなってしまった。
読んでくださった方には感謝致します。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 楽しい
  • ロマンチック
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ