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蜘蛛の巣を払う女 (2018)

THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB

監督
フェデ・アルバレス
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3.63 / 評価:1073件

解説

ベストセラー小説「ミレニアム」シリーズの第1部を映画化した『ドラゴン・タトゥーの女』のヒロイン・リスベットの過去を解き明かすミステリー。『ドント・ブリーズ』などのフェデ・アルバレスを監督に迎え、前作の監督だったデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮に回った。リスベットを演じるのは『ミスティック・アイズ』などのクレア・フォイ。シルヴィア・フークス、スヴェリル・グドナソンらが共演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

凍てつく冬が訪れたストックホルムで、天才ハッカーのリスベット(クレア・フォイ)に、人工知能研究の権威バルデル博士から依頼が舞い込む。 その内容は、彼自身が開発した核攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局から取り戻すというもの。彼女の能力からすればたやすい仕事だったが、これは彼女への復讐(ふくしゅう)をもくろむ生き別れた双子のカミラ(シルヴィア・フークス)が仕掛けたわなだった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「蜘蛛の巣を払う女」孤高の黒、邪悪の赤。ホワイトノワールの世界観に実現した宿命の姉妹対決

 彼女こそは過去10年間の映画史において、最も鮮烈なインパクトをもたらしたヒロインのひとりだろう。並外れた情報収集力を誇る調査員にして神出鬼没の天才ハッカー。または闇の世界の仕置き人。トレードマークの竜の刺青を背負ったリスベット・サランデルが、7年ぶりにスクリーンに帰ってきた!

 これまでリスベットを演じてきた女優たちは髪を短く刈り、いくつものピアスをつけて外見的な特徴を整えたうえで、尋常ならざる人生を送ってきた孤高のヒロインの妖しさを体現してきた。原作者の母国スウェーデンで製作された「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の初代、ノオミ・ラパスは内に秘めた激情を、ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」の2代目、ルーニー・マーラは虚無の奥底に息づく純情をかすかに覗かせ、どちらも観る者に忘れえぬ印象を残した。

 そして新たなるリスベット役に抜擢されたのは、TVシリーズ「ザ・クラウン」で注目されたイギリス人女優クレア・フォイ。ラパスやマーラよりも幾分シンプルな風貌で現れたこの3代目は、まるで少女のように無垢な瞳に脅えたようなニュアンスを湛えている。そんなリスベットが対峙するのは、まさしく彼女が少女だった頃の忌まわしい家族の記憶。事件の発端はアメリカの国家安全保障局へのハッキングで奪った核攻撃プログラムだが、それ自体はマクガフィン(ストーリーを展開させるための口実)のようなもので、さほど重要ではない。封印された過去から甦り、リスベットの行く手に立ちはだかる双子の妹カミラこそが、本作のもうひとりの主人公である。

 今回メガホンを執った「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督は、前作のデヴィッド・フィンチャーが創出した映像スタイルを受け継ぎ、凍てつく北欧の情景を全編にフィーチャー。さらに黒ずくめのリスベットが駆けめぐるその“ホワイトノワール”な世界観に、煮えたぎる血や怒りを連想させる真紅のコスチュームをまとったカミラ(「ブレードランナー2049」のシルヴィア・フークス)を登場させた。その見るからに真意不明の超然とした異物感を放つ悪女は、まさしく“赤いリスベット”と呼びたくなる。

 リスベットが相次ぐ危機を突破していくアクション・シーンは切れ味もスリルも上々だが、メインテーマである宿命の姉妹対決がフィジカルな見せ場の陰に隠れ、掘り下げ不足になってしまった感は否めない。アクションとドラマの配分に疑問を感じる半面、ふたりのヒロインの黒と赤のコントラストに象徴されるヴィジュアルは脳裏に焼きつくほど刺激的。そこが評価の分かれ目となるだろう。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2018年12月20日 更新

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