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愛しのアイリーン
2018年9月14日公開

愛しのアイリーン

R15+1372018年9月14日公開

yab********

3.0

人間はあくまでも”衝動”で動く

昔よく見たATG映画のように、きれいな終わり方は望むべくもなかった。 救いのない性と暴力。閉鎖的な村だから、よけいに性描写が内にこもっていく。 流産を繰り返し、ようやく授かった一粒種の息子。その息子の結婚相手探しに暴走する母親。 母親の期待を裏切り、斡旋業者と家族に金を払って、フイリピンから若い女を連れてきた息子。 息子が働くパチンコ店の”女”を捨てられない人妻。 フイリピン女性の売春組織の一員のヤクザ そして、フイリピンから連れてこられたアイリーン。 とにかくみんなキャラが濃すぎる。 キャラだけが暴走しまくるから、背景にある村社会の闇が拡散する。 村社会の闇が拡散するから、性と暴力が露出する。そこがとても痛い。 アイリーンは、日本語を必死に覚えるけなげな女の子だった。だが、その彼女を周囲が邪魔する。 偏見、差別、虐待。すべてが彼女のけなげさを奪い取っていく。 監督は『ヒメアノール』の吉田恵輔。あくまでも暴走好きの監督である。 彼の暴走は、明日を語らない。そこにある今で、人間を引きずり回す。 そこから何が生まれるかは知ったこっちゃない。 彼は、息子役の 安田顕、 母親役の木野花のキャラを十二分に振り回す。 そこに、往年のATG映画の”衝動”が浮き彫りになる。 人間は理性では動かない。あくまでも”衝動”で動く。その真実だけが、雪深い山村にこだまする。

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