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愛しのアイリーン
2018年9月14日公開

愛しのアイリーン

R15+1372018年9月14日公開

aco********

4.0

ネタバレ断絶の極限で

観客側にもある種の重さを強いてくるような過剰な熱量。 もっと分かりやすく言うと、目を覆いたくなるような露骨な描写の多さ。役者たちの決死の覚悟、迫真の演技にも拍手。 原作を読んではいないが、日本社会が抱える問題の一側面をジリジリあぶり出すようなところがありつつ、「愛」という普遍的なテーマを極限まで追い詰め、問うてくる。 「愛」を描くのではなく、徹底的に「愛の不可能性」、断絶を描き出す。 その極限に、救いはあるのか。 だがアイリーンは捨てない。極限で、捨てない。いや、もはや愛とか希望とかそんなものすら捨て去ったところで、それでもなお、「こころだけは売り渡」すことができない。そういった姿を見たような気がする。 苦しくて、悲しくて、悔しくて、どうしょうもなくて、何ひとつ思うようにいかなくて、そんな不可能性の中で、ほんの一瞬だけでも、いや、ほんの一瞬にこそ宿るような、限りなく「真実」に近いような感情のかよいあいが、思い出されるようにして、遠くから「こだま」のように聞こえてくる…。

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