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LBJ ケネディの意志を継いだ男 (2016)

LBJ

監督
ロブ・ライナー
  • みたいムービー 76
  • みたログ 168

3.79 / 評価:126件

南部連合って執念深いな~

  • bakeneko さん
  • 2018年10月22日 10時17分
  • 閲覧数 529
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

ケネディ大統領の暗殺によって、副大統領から急遽大統領になった-リンドン・べインズ・ジョンソン(LBJ)の事件前後を、当事のアメリカの政治&社会的状況の中に語ってゆく-“歴史+政治+人間ドラマ”で、ウディ・ハレルソンが入魂の演技で大統領に成りきっています。

“あれ?ジョンソンって暗殺に託けてケネディ路線を180度転換し、北爆を開始してアメリカをベトナム戦争の泥沼に引きずり込んだ暗愚な大統領じゃあ?”―と、アラフィフ世代以上はネガティブな印象を持っている人物を主人公にした現代アメリカ政治史映画で、
流石にアメリカでも功罪評価が分かれている人物の全姿を偉人として描くことは出来ないので、ケネディ大統領暗殺時の緊迫した状況を作劇の核に持ってきて、公民権法の成立運動への貢献を謳い上げる展開となっています。
最近のチャーチル2作品を初めとして、「ニクソン(主演:アンソニー・ホプキンス)」、「ブレイズ(主演:ポール・ニューマン)」、「ブルワース(主演:ウオーレン・ベイティ)」…といった名優がそっくりさん振りを熱演した名物政治家映画に連なる作品ですが、主演のウディ・ハレルソンの風貌から「パットン大戦車軍団」のジョージ・C・スコットを最も連想した作品で、J・F・ケネディが大統領になった前後の時代背景とアメリカの公民権運動の高揚感が再現されています。
テキサスの公立学校卒→高校教師出身で、叩き上げの豪腕南部政治家であるジョンソンと東部の金持ちサラブレッドのお坊ちゃん政治家であるケネディ兄弟の相克や、南部政治家達の北部への対抗意識も興味深く活写されていて、特に南北戦争以来始めての南部出身大統領の誕生に気色ばむ南部政治家達に、「風と共に去りぬ」で描かれたアメリカの南部の北部への対抗精神が今日でも脈々と引き継がれていることも判ります。
そして、理想家肌のケネディ兄弟と保守的な南部政治家の間に立って何とか党としての統一性を保とうと苦労算段するジョンソンに共感させる作劇となっていて、夫婦や家政婦との対話でも意外な繊細性を見ることができます。
更に、テキサス人らしい粗野なエピソードやユーモア発言も多々再現されていて、下半身ネタや無神経ネタの数々に、“この人の側近は大変だったろうな~”とも思わせます(トイレのドアは閉めてよね!)。

クライマックスの就任&公民権法案継続声明に、アメリカの長所と民主主義の根幹を見せている-「スミス都に行く」のデモクラシー礼賛映画を踏襲した作品ですが、ラストの大統領に提出された:ロバート・マクナマラ国防長官の報告書のシーンは、「ペンタゴン・ペーパーズ」への布石となっていますよ!(本作「RDJ」→「ペンタゴン・ペーパーズ」→「インサイドマン」+「大統領の陰謀」と観てゆくと、アメリカの1960~70年代初頭の政治情勢が良くわかります)

ねたばれ?
1、 映画では暈していますが、ジョンソンが2期目に立候補しなかったのは、ベトナム戦争の拡大に対する国の内外からの強い批判で、次の再選を目指した1968年の大統領選で民主党大統領候補の指名を受けることが難しい状況に追い込まれたからです。
2、 劇中ではケネディによって断られていますが、テキサス州の連邦判事へのジョンソン家の友人であった、サラ・T・ヒューズの任命には成功しています。そして暗殺時に、正に彼女の前で“大統領就任宣誓”を行っています。
3、 ジョンソンは、アイゼンハワー大統領下の1960年に多数党院内総務として、難航していた日米安保条約を纏め上げた立役者でもあります(余計なことをしやがって…)。

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