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鈴木家の嘘 (2018)

監督
野尻克己
  • みたいムービー 147
  • みたログ 473

3.66 / 評価:367件

鈴木家がみんなで見た朝焼け。

  • shinshin さん
  • 2019年10月22日 2時39分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

生まれた時から家族は家族である。
選ぶことなどできずに、切れない鎖で繋がれてしまう。

扱うテーマは重いけど、淡々とした雰囲気と軽妙な笑い(おじさんぽいセンスだけど)が織り交ぜられてて、わりに見やすい映画だと思います。

鈴木家はどこにでもいる普通の家族。昼のラジオが好きなおっとりお母さん。大人しい、粛々。という言葉が似合う地味なお父さん。大学で新体操に打ち込む、少し冷めた性格の娘。
全体的に地味だ。休みの日にみんなで近所の川辺にヨモギ?かなんか摘みに行く感じの健康的で大人しい真面目な柄の家族だ。鈴木というよくある苗字もそれっぽい。
ただ少しイレギュラーなことがある。長男が、長く自室に引きこもってでてこない。

母はそんな息子がいつかは羽ばたくことを信じて疑わず、まっすぐなやさしさを向け続ける。
父は自分なりに息子と向き合おうとするが、内心自分の子供のことが理解できず、恐ろしい。
妹は引きこもる兄が後ろめたく、距離を置き、人には言いたくない。

家族みんなの重しとなる長男 浩一である。鈴木家の闇の部分。コウモリみたいに暗がりに巣くい、家庭に影をもたらす。
そして、何より自分も死ぬほど、苦しむ。最後には死を選ぶしかなくなるほどに。
結局は自己責任かもしれないが、ひきこもりなんて誰がいつなってもおかしくない。迷子から抜け出す出口がわからないんだ。

死してなお周囲を苦しめる浩一。死んでも家族の鎖は切れず、残された者の人生に影響する。
そんなしんどい状況から生まれた、家族を守るための小さなウソ。そこから各々が「もう、そこにはいない浩一」と向き合う時間が始まる。

家族だから何があっても見捨てずに面倒を見なくちゃいけない。
家族だから最後まで責任を持たなきゃいけない。
家族だから存在をないがしろにはできない。
どうしようもない地獄。

だけど、
家族だから何があっても最後まで信じてあげたい。
家族だから何を思っていたか知りたい、かなえてあげたい。
家族だから、小さいころから一緒だから、気持ちがわかってしまう。嫌いになりきれない。
切っても切れないしんどい‟縁”だけど、それを‟絆”として結べたら......
鈴木家にのしかかる重く悲しい夜に、暖かな日が差し込むとき

いろんな家族の映画がありますが、地味ながらも丁寧に家族の話を描いたこの作品は好感が持てます。
鈴木家以外の登場人物もわりと濃いです。お母さんの弟、自由人の伯父さん役の大森南朋が画面を明るくします。最後の登場シーンのしょぼさも良いっ。
あと、原日出子さんは他に代役を想像できないほどハマっておられます。演技の力って改めてすごいですね。
そんで自分の好きな加瀬亮さんも、闇落ちのいい表情してた。若く見えるのも俳優の才なのか。

最後に。
イヴちゃんは良い子であってほしいなぁ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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