一口寸評
- nn1***** さん
- 2018年10月9日 15時26分
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ホロコーストの逸話は何度語られてもいいが、どうしても過去の名作との比較になる。
原題でもある‘ソビボル’収容所に送られたソ連の軍人(監督の自演)が、仲間たちを導き、22日目に収容者400人を脱走(最終存命者は150人程度)させる。
当人による手記を、珍しくロシアが映画化した。
俳優でもある監督は、ナチスの残虐なパワハラぶりをこれでもかと描く。
だから、英雄譚というよりも復讐譚に近い。
画は端正に撮られていて、全裸の女性たちがガス室で殺されるシーンや、列車のコンテナから大量の死体が現れるシーンなど、いかにも生々しい。
だが、『サウルの息子』(15)ほどの緊張感はなく、ドラマツルギーの力の差は歴然としている。
舞台背景が凝っているだけに、エキストラも含めた出演者全員が、それに拮抗すべく、人間の揺れ動く情動を的確に表現する演出が必要だったはず。
それが徹底されておらず、ギリギリの死と向き合った彼らの存在感を薄れさせてしまったように見えた。
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イメージワード
- パニック
- 恐怖
- 勇敢
- 絶望的
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