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ファースト・マン (2018)

FIRST MAN

監督
デイミアン・チャゼル
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3.81 / 評価:3,851件

やり遂げる価値があるかないか、の問題

  • ivo***** さん
  • 2019年8月12日 18時07分
  • 閲覧数 464
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

主人公の無感情さが序盤、変人のように映るが、、、

ベトナム戦争があり、国内の貧困が拡大し、国が疲弊する中で、巨額を投じる宇宙事業への疑問の声が増えてくる。そして、ニール自身も自らを死の危険にさらし、家族の問題、仲間の死に直面し。。。
それは、それほどの犠牲があっても、やりとげる価値があるものなのか。
宇宙事業は結局、政治ゲームの手札の一枚にすぎないのだ。

しかしむしろ、何のためにやっていることなのかわからなくなってくるからこそ、犠牲が大きすぎるからこそ、それをやり遂げることの本質、価値が見えてくる。それは常人には理解しがたい領域であるのはいうまでもない。

これは楽しいからやっているのではない。正しいからやっているのでもない。それなら、無表情にならざるをえないではないか!?

月面着陸の中継を、世界中の人々が、視聴して楽しみ世界がひとつになったかのような体験をした。そして、その偉業を、彼の帰還を、たくさんの人が讃えてくれた。
彼は、そのために、そんなことのために、それを成し遂げたのだろうか?

妻と面会した彼は、英雄ではなく、目標を失ったただの人間にすぎなかった。そして、目標を持って生きていた時と同様に無表情である。
死んだ娘への思い、生きている家族への思い、、、結局、宇宙がいかに大きなものであっても、全宇宙に思いを馳せることができる人間と、人間自体への思いに勝るものはない、ということだろうか。

『やり遂げる価値があるかないか問題』。もしかしたら、監督のデイミアン・チャゼルは、本質的に意味を持たない「音楽」を通して、過去作でもこのテーマに向き合っていたのかもしれない。が、僕自身が音楽をやっているのに、あるいはやっているから、どうも何が言いたいのかピンとこないところがあった。
今作はそれが、ストレートに伝わってくる。

『ボヘミアン〜』もそうだが、大衆には決して理解できない人間を描いた作品を、大衆が表面的に鑑賞してもてはやすのは皮肉なことに感じる。
正直、眠いところはあったが、前作と同じ監督とは思えない、大傑作になったと思う。

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