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ファースト・マン (2018)

FIRST MAN

監督
デイミアン・チャゼル
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3.80 / 評価:3,972件

☆アメリカン・フロンティアって何ぞや?☆

ありそうで、なかった、
アポロ11号のミッションを描いた映画。
『フロム・ジ・アース』という、
TVドラマでは描いていたと思うが、
何故、映画化されなかったのか不思議な位。

しかも、『アポロ13』で、
ドラマチックで、感動的に、壮大なスケールで、
エンタメ映画として見せたのだから、
同じ手法は使えないのは、容易に想像が付く。

恐らく、監督である、アカデミー賞監督賞に輝いた、
34歳の若手、デイミアン・チャゼルさんも、そこは意識したと思う。

デイミアン・チャゼルさんが今作を手掛けるに辺り、
アポロ11号のミッションを重点に描くのではなく、
船長である、アームストロング氏の視点を中心に描き、
別の視点から、アポロ11号のミッションから見える、
未知なる、危険で、異常な世界を伝えたかったのかなと思う。

一般的な目線で云う、エンタメで言えば、地味。
私的には、面白く観させて頂きました。

DVDレンタルで今作を鑑賞。
白状しますが、劇場で観るべきでした。
そうでないと、この映画の醍醐味は解らないから。

冒頭のシーンである、
超音速実験機X-15のテスト飛行に挑む、アームストロング。

機体からの悲鳴と呼ぶか様な、超振動、交差する異音、重低音と高音。
一時、操縦不能に陥り、天地が180°回転するかの様な、成層圏の世界。
悲鳴をあげててるかの様な機体と、悪戦苦闘する、アームストロング。

冒頭のシーンで、
この映画が描く、未知なる、危険で、異常な世界を、
音と映像で見事に貫き通している。
大画面・大音響でないと、この映画の世界観を理解するのは難しい。
やはり、劇場で観るべきだったと思った理由。

この映画が描く。
未知なる、危険で、異常な世界。
『夫の同僚の葬式参列に慣れたけど・・・・』と、
アームストロングの妻、ジャネットが言う台詞。
この台詞の一部だけでも、危険な世界と表裏一体であるかを、物語る。

ミッションという名の人体実験というべき内容。
常に、危険・死と表裏一体。
ミッションで、誰かが負傷、或いは、死ぬ世界。

そこまで人的・金銭的に、
犠牲を払って、何故、月へ行こうとするのか?
背景にあるもの、その背景が故に、
宇宙飛行士訓練者へ、無限のプレッシャーに
押しつぶされるかの様な世界。
この映画を観て、ケネディ大統領の、
あの有名な台詞も、何処となく虚しく感じるし、
アメリカン・フロンティアって、誰の為?と、考えてしまう自分が居る。

それでも、
この異様な世界で、常に冷静で、無表情で、
任務・訓練にあたる、アームストロング。
アームストロングを、月へ行こうと、自ら奮い立たせるモノ。

やはり、圧巻するのは、
アポロ11号が、何重のトラブルを抱えながら、
月面着陸へ試みるシーンが、圧巻というべきだろう。
何度も何度も訓練をしながらも、
未踏の領域へ挑むのだから、どういう結果になっても、おかしくない。
それでも、冷静に、月面着陸を達成した、アームストロング。
これも、劇場で観たら、更に圧倒された事でしょう。

アームストロングが見た、月面の世界。
どういう想いで、月面を見たのだろうか?
あれこれ、思いが巡る。

ラストの、隔離室のガラス越しで、
無言の会話をしているかの様なシーン。
互いの二人の表情から読み取るしかないのですが、
二人には、笑顔はなく、安堵感の空気もなく、達観もなく、
奇妙ですが、不安感を漂っている様に感じました。
特に、ジャネットの表情から強く感じました。

恐らく、こう言いたかったのでは。
家族を犠牲にして、危険まで冒して、月着陸の偉業を果たしても、
安堵感を求めて続けてきた私としては、もう限界です・・と。
そう、伝えたかったのかなと。

今作は、☆満点。
大画面・高音質で観るべきでしょう。
そういう施設がなかったら、
映画館で観ているかの様な感覚で、鑑賞を薦めたい。

月面着陸という、アメリカン・フロンティアという
大義名分で、様々な、犠牲を払うというのは、
どういう意図があるのか?
この映画を観て、考えるのもいいかもしれません。

詳細評価

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