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恋のしずく
2018年10月20日公開

恋のしずく

1162018年10月20日公開

山浦国見

4.0

丁寧に作られた良質の作品

酒をテーマに作られた映画は数多いが、日本酒造りをテーマに作られた映画は大変珍しい。 「カンパイ!世界が恋する日本酒」にしろ、「一献の系譜」にしろ、ドキュメンタリー映画であり、フィクションの興行映画と言う括りだと、「恋のしずく」以外には「酒蔵」くらいしか思い浮かばない。やはり稀少な存在に違いない。 確かにタイトル通り、恋愛がメインだが、きちんと酒蔵の後継問題、販売シェア率、業務提携話などの、経営上の葛藤も折り込まれ、ただの甘ったるいラブストーリーとは違うところに好感が持てる。更に三島由紀夫の「橋づくし」まで絡めてくるから油断ならない。 ラストシーンも、まるで「旅情」のオマージュのようで赴きがある。 主演の川栄が、どこにでも居そうな女の子のルックスなので、逆に良かった。また、小野塚も「ああ、こういう若旦那いるよな」と言う風貌なので、違和感はあまりなかった。また、思ったより演技が確りしていて、大杉との丁丁発止も自然だった。 主題歌も、AKBやEXILEあたりのJ‐POPをぶっこんで来るかと思いきや、和楽器バンド細雪が採用され、雰囲気を壊さない配慮がされている。

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