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ヘレディタリー/継承 (2018)

HEREDITARY

監督
アリ・アスター
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3.20 / 評価:1378件

斬新で陳腐な女3代ホラー物語

  • yam***** さん
  • 2021年3月19日 10時33分
  • 閲覧数 710
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

夫も息子も失い、娘とは長く絶縁状態、精神疾患を患い世間とも疎遠なまま亡くなったかわいそうな高齢女性エレンは実は悪魔崇拝者だったというオチ。
夫も息子もおそらく、彼女の悪魔崇拝の犠牲になったのだろう。
悪魔崇拝の系譜は祖母から娘アニー、孫娘チャーリーへと女系3代で継承される。

娘アニーは母から悪魔教育を受けず、何もわからないまま徐々に闇落ちしていく。
一方孫娘チャーリーはエレンから英才教育を施され立派な悪魔っ子に育つ。

物語は娘アニーの視点で描かれ、彼女は母との断絶、子を生む不安、子どもたちとの葛藤、精神疾患や夢遊病の不安、子を失った苦しみに苛まれ続ける。

アニー役トニ・コレットさんの演技は鬼気迫るものがある。

またミニチュア制作という彼女の仕事が、彼女のはらむ狂気と狭苦しさと閉鎖された世界を暗示させる。

ただ、何しろアニーは無力である。
家族の不幸と崩壊の危機に何もできず、ただ泣き叫ぶだけ。
結局大切な夫も息子も守れず、仕事も失い、エレンとチャーリーに完全屈服。

主人公である女性が自分の母親の影響力に完全敗北して終わる物語は珍しいので、その点では斬新だと思う。
ただ、彼女が闇落ちするのは冒頭のエレンの葬儀のシーンでもう分かっている。
アニーの首にはちゃんと悪魔の紋章が飾られているんだから。

また、「善良で役に立たない男たちvs邪悪で密かに世界を牛耳る女たち」という構図も斬新に感じた。

映画のラストは掘っ立て小屋での悪魔降臨祭だが、ただのかわいそうな人達の集まりにしか見えないのは残念。

せっかく悪魔に魂を売ったんだから、もっと酒池肉林とか金銀財宝とか、IT長者とか、権力を掴むとか、何かしら現世利益はないのだろうか。

田舎のおっさんおばさんじいさんばあさんが裸でひれ伏すだけでは、悪魔の怖さも力も伝わらない。
アニーの善良な夫の方が、よっぽど裕福でパワフルに見えるが。

通奏低音として不安をあおるお決まりの不気味な音楽には目新しさがなく、光の反射で霊を暗示というのも安っぽい。
悪魔崇拝、降霊術、土葬された遺体を掘り起こすなども使い古された感が否めない。
死んだら火葬してもらえるドライな日本人の私にはあまりピンとこない。

さらに精神疾患やチック症状を安易に悪魔と結びつけるのもどうかと思う。
偏見や迫害を助長する恐れがある。
本作は「正統派ホラー」と評価されているらしいが、発想が中世に逆戻りしているだけなのでは。

あと、余計な心配かもしれないが、ホラー映画の子役を観るとあだ名で呼ばれて虐められないか心配になる。
おいダミアン!とか、ねえチャーリー?とか。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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