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ステータス・アップデート (2018)

STATUS UPDATE

監督
スコット・スピアー
  • みたいムービー 70
  • みたログ 182

3.79 / 評価:137件

楽曲に込められた自分らしさは美しい

  • dr.hawk さん
  • 2018年11月29日 23時32分
  • 閲覧数 986
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

2018.11.29 字幕 シネリーブル梅田


2018年のアメリカ映画
両親の不和が原因でカリフォルニアからコネチカットに移り住むことになった青年が、スクールカーストのどん底で魔法のアプリに出会い人生を変えていく青春&ファンタジー&ラブコメディ
監督はスコット・スピアー
脚本はジェイソン・フィラルディ


物語はカリフォルニア出身の主人公カイル(ロス・リンチ)が転校先のハイスクールに登校するところから始まる

彼の父ダリル(ロブ・リグル)は自由人で妻アン(ウェンディ・マクレンドン=コービー)は呆れ顔で別居を決意、妹のマキシー(ブレック・バッシンジャー)はアニメオタクで物分かりが良すぎて、カイルひとりだけが父と離れた寂しさに浸っていた


カイルの高校はホッケーチームが有力視されている学校で、そのチームのエースのデレク(グレッグ・サルキン)はスクールカースト最上位で、その彼女シャーロット(コートニー・イートン)もその揺るがぬ地位にいる令嬢だった

そんなデレクたちに目をつけられハブられたカイルは、ある日食堂でロニー(ハーベイ・ギーエン)と出会う
彼もまたハブられて虐められていた同類だったからである


物語はそのスクールカースト最下位だったカイルがショッピングモールにあるスマホショップに訪れることによって劇的に変化を受ける

そのショップ店員(ジョシュ・オストロフスキー)はカイルの壊れたスマホと引き換えに「ユニバース」というアプリが入った新しいスマホを渡す

「ここに投稿すれば夢が叶う」と言われたカイルは騙されたと思ってそれを持ち帰り、そしてふと思い立ったように「なりたい自分」を投稿する

それは学校で一目惚れしたダニー(オリビア・ホルト)に近づくためだった


ユーモアを交えながら徐々にアップデートを繰り返すカイルは次第に思わぬポジションへと引き上げられる

そしてそれと同時に繋ぎ止めたかった縁から遠ざかることになる

「なりたい自分」は「叶えたい夢に向かう自分」ではなかったからである


魔法のアプリ「ユニバース」は言葉を現実に変えるが、カイル以外の背景を変えることはない

つまり父は自由人のままコネチカットに存在し、別居の原因を除去できた訳ではない

ゆえに問題は内封されたまま時間を経過し、「ユニバース」の影響を受けていない人物の感情は余計に悪化するのである


この物語では「もし自分が」という願望よりも、現状の打破の一時凌ぎとしてアプリを使用していく
勿論それに付随する褒賞のようなものは仮初めにすぎないので、カイル自身はどこか腑に落ちないまま環境に流されていく

望んでいたものとの乖離は「カイルの欲望を直接的に表現している」訳ではないので、その辺りが若者らしいし、カイルの純粋さを表現している
(ダニーとつきあいたいとは投稿しないところ、など)

それでも虚飾によるステータスは結果を残し、それ自体を変えることができないため後戻りできない

歌は上手いままだし、ホッケーも然りである


この難題からどうやって「自分のしたいこと」へシフトするのかと思ったが、これまでの嘘を謝罪し悔い改めることで周囲の協力を得るところが面白い

結局のところ、運は人が運ぶと言った具合に「なりたい自分」というのは「自分らしさが受け入れられること」であり、そこには周囲の人間が必要なのである


またこの映画は、そう言った核としてのストーリーと同様に楽曲が素晴らしい

劇中歌に使用されるブルーノ・マーズ『Locked out of Heaven』、レイチェル・プラッテン、トミー・ジェイムス、レナード・コーエンに加えて映画オリジナル曲の『Drowning』は主演ふたりの歌唱で物語に華を添えている

ちなみにカイル役のロス・リンチはポップ・ロックバンドR5(現・The Driver Era)にてヴォーカルを務めていて、ダニー役のオリヴィア・ホルトも歌手活動をしている(2012年にラジオ・ディズニー・ミュージック・アワードにて『Had Me @ Hello』でベスト・クラッシュ・ソングを受賞している)

特に『Drowning』は恋に落ちたダニーが作った歌にも関わらず、カイルのアンサーソングとしても機能している

この歌唱力と表現力が説得力を与え、ひとときの夢を見せてくれるのだ


いずれにせよ、音楽が主体の映画は時として物語以上に語り、それはとても心に残る

同じ歌が聴こえ方が変わるという構造は普遍的な恋愛の始まりを描いているからである

この恋愛の古典はいかにして自分を投影するかが肝要であり、ダニーは生まれたばかりの恋心を込め、カイルは失って気づいた大切なものとして表現している

このラストシークエンスのデュエットを聴くために鑑賞するのもアリだと思うので、それまでのちょっとファンタジー色濃すぎてこそばゆい展開も許せると感じた

詳細評価

物語
配役
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音楽

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