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ぼけますから、よろしくお願いします。 (2018)

監督
信友直子
  • みたいムービー 92
  • みたログ 227

4.23 / 評価:191件

家族愛に涙、生きるとはこういうことか

  • jyo***** さん
  • 2020年10月2日 19時45分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

娘の撮影者魂がすごいと思った。95歳で腰の曲がった父親が重たい買い物袋を持って、途中何度も休みながらやっとの思いで歩いていく…。それをただただ撮影を続ける娘。これを見て、カメラを止めて手伝ってあげたらいいのにって言う人は絶対いるだろうなって思った。気持ちはわかるが、そこを責めるのは違うと思う。手伝ってあげたら現実が伝わらない。だってこの夫婦は普段こうやって暮らしているんだよ。これが老老介護の現実なんだ。現実をありのままに伝えるためにあえて手伝わなかったんだと思う。きっとカメラを止めて手を貸してあげたくなることは何度もあっただろう。でもそれをしないで撮影に徹してたのはすごいと思った。
娘の母に対する愛情も伝わってきた。認知症になってどうしたらいいのかと泣く母に対して、『直子がなんでもしてあげる』と言った娘。このとき娘も泣いていたと思う。深い愛情が見えた。
お父さんは本当によくできた人間。器がでかい。お父さんが感謝して生きろと言っていた。死にたいと言った妻をきつく叱っていたが、戦争に行って生き残った人は死にたいなんて許せないのかなと思った。きっと戦争で亡くした家族や友達…生きたくても生きられなかった人達をたくさん見てきたからこそ、命あるうちに死にたいと言うことを許さなかったのではないか。
認知症になったお母さんが取り乱すシーン。胸に刺さった。認知症って正常な部分もあって、自分がだんだんおかしくなっていくのもわかるって言うから、そんな状態になったらああいう風になるのも無理はない。今まで自分が家を仕切って、夫と娘の世話を焼いていた…それこそがお母さんのアイデンティティーだったんだろうな。それが崩れていくのだから、計り知れない…。
お母さんは明るくて聡明な人。元気な頃はカメラを向けるとニコッと笑う。とてもチャーミングな人だと思った。娘が乳がんになった時、上京してお世話をしてくれた。やはり母親だ。美味しそうなご飯を作ってくれて、ニッコリ笑って明るく振舞って、娘の前では決して泣き言は言わない。なるようにしかならないよって娘を諭す。強い人だ。そんな人が認知症になって、あのような姿になっていく。認知症は本当に辛い病気だ。
この作品を見て自分も精一杯生きようと思えた。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 勇敢
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  • 切ない
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