こんな夫、日本なら賞賛の嵐なのに
- marine さん
- 2019年12月3日 11時53分
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妻の健康を気遣う、なんでも作れてしまう器用な夫が、
「パッド」というタブーに踏み込み、
やがてそれがインドの女性たちの自立を促す大発明になっていく。
インド映画の、恋に浮かれた幸せいっぱいのシーンが大好き。
冒頭の歌と描写が最高!しあわせ〜!
そして毎度毎度、インド映画の伏線回収の仕事の精密さにびっくりする。
見終わって、もや〜っとしたり、あれって結局どういうこと?って思うことがない。かっちり分かりやすい。
実話をもとにした映画って、
事実に沿おうとするからか冗長になりがちだけど、
この作品に関しては退屈感はほぼゼロだったかと。
それにしても驚いたのは、2001年の時点で、国民女性の一割しかナプキンを使っていないというインドの状況。
男性が生理の話をすると「異常者」「一族の恥」と過剰なまでに非難される文化。
「穢れ」という概念が21世紀にもまだ存在している(いた?)という事実。
そしてその「習慣」「慣習」を打破することがいかに難しいか。
ラクシュミが繰り返し繰り返し、ただ一心に「妻のため」、
試行錯誤し、説得を試みても、
その凝り固まった概念はそう簡単に変わらない。
これは自分自身の身の回りでも、ちょっとした時に感じる難しさだ。
「それが当然」と思っていることを覆すのは怖い。
だから頑なになってしまう人々。
その描写が苦しく、もどかしかった。
ラストの「リングリッシュ」スピーチには感激。
でも最後に残る悲しさは、
彼を理解し支え続けたのが「妻」ではなかったといくところか。
そうだ、忘れちゃいけない、バッチャン様もちゃんと登場する。
ちょっとだけど。
インド映画を観るときは、インドのスター「バッチャン」が出てくるのがどうかが一つの楽しみ。
バッチャンて、日本で言ったら誰にあたる人なんだろう。
大御所中の大御所なんだろうけど。
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