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メアリーの総て (2017)

MARY SHELLEY

監督
ハイファ・アル=マンスール
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3.71 / 評価:272件

罪悪感、呵責の念、喪失と切望が生むもの。

冒頭のシーンで釘付けになった、罪悪感と呵責の念、そして喪失と切望の物語。
 
90年代のケネス・ブラナー監督作「フランケンシュタイン」はブロックバスター的作品としても文芸大作としても、とても満足のいく作品だったけど、そういえば原題が”MARY SHELLEY'S FRANKENSTEIN”だった。劇中、初版が作者名なしで発刊された時にふと思い出して、なるほどなあと膝を打った。
 
母親の墓前で怪奇小説を読む少女。この冒頭のシーンで映画の世界に引きずり込まれる。19世紀を再現した美術と衣装を堪能(衣装は実際よりもちょっと現代的にデフォルメしてそうな気もした)。どっちかというとお姉ちゃんのダコタのほうが好きだけど、エルがんばってた。「そんな男についていくなよ」とか言ってはいけない。事実なのだからもう遅い、遅すぎる!
大枠では時代や声の大きい男たちに翻弄されながらも、電流ショー、インキュバスを描いた絵、吸血鬼書いた人(名前忘れた)、などなど興味あるものを見つめながら、次第に自分というものをじっと見つめていく過程。脚本と演出がとても丁寧で、エルはそれに応えていた。
 
それにしても19世紀にはろくでもない男ばかりおるな!思いっきり飛躍するけど、つまりメアリーの境遇自体は極端に少ない例ではないのかも。程度の差こそあれ。そんな、女性の社会進出などまだ遠い未来の時代。(外に出て働くことだけが社会進出じゃあないけれど)。そんな中で、秘めたる力を発揮して後世に多大なる影響を残す作品を書き上げることができたのは、母への慕情、命と引き換えに生まれてしまった罪悪感、我が子の喪失、また罪悪感、呵責の念、自由恋愛の解釈に苦しむ日々、義妹クレアへの複雑な思い、これらすべてを、生み出す力に転換させていった恐ろしく強い心。そうでもしないと生きてられないっていうのもあったかも。それを支えた父の言葉、「人の真似をせず、自分の声を探せ」も効いていた。
 
一瞬だったのではっきりと分からないけど、森?もしかして墓地?をスローモーションで駆けていくメアリー。解放された心が母の元へ還っていったんだと知る、美しいラストシーンだった。
 
まったくの余談だけど、本作鑑賞と同じ日に「妖怪人間ベム」「ペットセメタリー」両作のリメイクのニュースを耳にしたことは、ダース・ヴェイダーファンとしてきっと意味があるに違いないと震えている。
#なぜ作った とか言わせないでくれい。

詳細評価

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