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メアリーの総て (2017)

MARY SHELLEY

監督
ハイファ・アル=マンスール
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3.72 / 評価:236件

解説

小説「フランケンシュタイン」の原作者メアリー・シェリーの半生を、『SOMEWHERE』などのエル・ファニング主演で映画化。詩人と駆け落ちした後さまざまな悲劇に見舞われたメアリーが、失意の中で傑作を生み出す。『ゴッホ 最期の手紙』などのダグラス・ブース、『パイレーツ・ロック』などのトム・スターリッジらが共演。『少女は自転車にのって』などのハイファ・アル=マンスールがメガホンを取った。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

19世紀のイギリス。小説家になりたいメアリー(エル・ファニング)は、異端の天才と称される詩人のパーシー・シェリーと出会う。彼らは互いの才能に惹(ひ)かれ駆け落ちするが、メアリーに数々の悲劇が訪れる。ある日彼女は、滞在していた詩人バイロン卿の別荘で、怪奇談を披露し合おうと持ち掛けられる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017
(C)Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017

「メアリーの総て」文学映画というより青春映画。傷つき抑圧された少女が怪物の物語を生み出す

 1816年、スイスに雨が降り続いた夏。詩人バイロン卿が借りていたレマン湖のほとりの別荘で、退屈しのぎに客人たちが怪談を書いてそれぞれ見せ合う約束をしたことは「ディオダディ荘の怪談談義」として文学史に刻まれる出来事となった。この時に生まれたのが、ホラーの名作として名高い「吸血鬼」であり、「フランケンシュタイン」である。後者を書いたのは詩人のパーシー・シェリーの妻として別荘についてきたメアリー・シェリーだった。メアリー・シェリーの異母姉妹であるクレア・クレモントはバイロンの愛人であり、彼の子を妊娠していた。この時、バイロンは28歳、パーシーは24歳、そして妻子あるパーシーと駆け落ちし、彼の子供を妊娠して失うという経験をしたばかりのメアリーはまだ18歳だった。

 「メアリーの総て」ではまだ若い俳優たちが自分たちと実年齢の近い文豪たちを演じている。メアリー・シェリーに扮するのは、まだ幼さの残る顔立ちのエル・ファニングだ。映画は文学史の重要人物ではなく、十代の傷ついた少女としてのメアリーを描こうとしている。作家である父と早くに亡くなった思想家の母の名前の重圧から逃れようともがき、文章を書くことに夢中になり、恋に落ちて悲しい経験をする主人公を、エル・ファニングは等身大で演じている。

 抑圧された少女が怪物の物語を生み出すという筋立てに、サウジアラビア出身の女性監督ハイファ・アル=マンスールらしい視点と現代性を感じる。二人の詩人、バイロン卿とパーシー・シェリーはトム・スターリッジとダグラス・ブース。キラキラと魅力を振りまき、少女たちを誘惑する彼らは十九世紀のヨーロッパにおいてはアイドルのような存在だったのだろうと思わせる。

 「フランケンシュタイン」という物語が生まれるまでの内幕を知りたい人には物足らないところもあるかもしれない。しかし、これは文学映画というよりも、青春映画なのだ。「フランケンシュタイン」の内容よりも、羽根ペンを持ってそれを必死に書いているメアリーを見せることに、この作品の意義がある。(山崎まどか)

映画.com(外部リンク)

2018年12月6日 更新

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