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セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!
2018年12月1日公開

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!

SERGIO AND SERGEI

932018年12月1日公開

bakeneko

5.0

ネタバレCIAO, CIAO, BAMBINA♪

社会主義体制の総大将:ソビエト連邦が崩壊したことから宇宙ステーションに取り残された飛行士:セルゲイと、宗主国が無くなって経済危機に陥ったキューバの大学教授のセルジオの友情を描いた“社会風刺+ヒューマンドラマ”の異色作で、語り部である大学教授の娘が25年前の娘時代を振り返る“幼年ノスタルジー”でもあります。 ソビエトを中心とした欧州の共産主義国家が次々と崩壊して言った1991年のキューバで、無線通信が趣味のキューバの大学教授セルジオ(トマス・カオ)は、ソ連の宇宙ステーション:ミールに滞在中の宇宙飛行士セルゲイ(ヘクター・ノア)からの無線を受信し、国境や身分を越えて親友となるが、ソ連の崩壊によってセルゲイは帰還の見込みが立たなくなってしまう。次第に老朽化して行くミールの中に閉じ込められているセルゲイを救うため、セルジオはアメリカの無線仲間のピーター(ロン・パールマン)に働き掛けるが…という、事実に基づいたフィクションで、 母国が無くなって宇宙空間に取り残された宇宙飛行士と、 援助してくれていた親分国家:ソ連が崩壊して、経済的に困窮しながら社会主義の看板を降ろさずに孤軍奮闘しているキューバ、 -を擬えながら、国家や体制の枠を超えて友情を結び&助け合おうとする-“人間の善なる本質”に感じ入らせてくれます。 社会主義崩壊を喜悲劇調に描いた作品として、「グッバイ、レーニン!」や「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」も連想させる作品で、共産主義名物の秘密警察も喜劇モチーフとして出てきます。 そして、 アメリカへの密航の手助け 違法輸出葉巻の生産 密造ラム酒の精製 …となりふり構わず生き抜いてゆく南国気質に、キューバ人のバイタリティを感じさせますし、「永遠のハバナ」へのオマージュ&パロディショットも多々見つけることが出来ます。 また、懐疑主義者のアメリカ人:ピーターの“こちらカプリコン1”というコード名や、 ラストのFBIの“これが我々の美しい友情の始まりだな”(「カサブランカ」)という台詞、 更に宇宙浮遊幻想で掛かる「美しき青きドナウ」♪(「2001年宇宙の旅」)など、名作映画を使ったお遊びも愉しい作品で、本物の宇宙ステーション&宇宙シーンがモキュメンタリー感を出していますし、ラストに掛かる“チャオ・チャオ・バンビーナ”♪までの使用曲もバラエティに富んでいます。 映画製作の予算不足の為か、クライマックスとなるべき救出シークエンスがあっさりしすぎている-アンチクライマックス作劇の締めくくりとなっていますが、少女の目を通した語り口を、“むかしむかしこんなことがありました”との回想で締めるエンディングは、イタリアンポップスの陽気でちょっと哀しい名曲:“チャオ・チャオ・バンビーナ”♪と共鳴してノスタルジックな気分にさせてくれますよ! ねたばれ? 1、チャオ・チャオ・バンビーナ(CIAO, CIAO, BAMBINA) 作詞&作曲:E. Verde・D. Modugno(1959年)の歌詞を… 空の彼方に七色の綺麗な虹が架かるとき 銀の雨は止むけれど胸の中には雨が降る バイバイ御譲ちゃん もう一度だけ これが最後のキッス おとぎ話をそのままに  愛ははかなく消えるもの… 2、本映画の宇宙空間でのコカコーラのCMシーンに、 本当に宇宙ステーションで撮った日清食品「カップヌードル」のCM(2005年)や、 ソユーズTM-28で1998年8月30日に宇宙遊泳を披露した“ひらけポンキッキ”のガチャピン(ロシア語表記だと“атяпин”)を連想しました(ガチャピンがいつどうやって地球へ帰還したのかは公式には不明であります-(笑)。

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