ここから本文です

ヒューマン・フロー 大地漂流 (2017)

HUMAN FLOW

監督
アイ・ウェイウェイ
  • みたいムービー 20
  • みたログ 15

3.20 / 評価:10件

ヒューマニズムの限界

  • enj******** さん
  • 2019年1月29日 22時43分
  • 閲覧数 387
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

今、難民と言えばシリア難民が問題になっているが、本作では世界中の「難民」と呼ばれるほとんどを取材していて、その数と種類と取材力に圧倒される。 難民て、こんなに居たの? と改めて衝撃。 そういえばパレスチナは今では過激派のようになってしまったが、もともとはイスラエルに追い出された難民だったのを思い出した。

この映画では、「難民はかわいそう」という視点に留まらず、受け入れる国の事情 (財政に余裕のないトルコやギリシャでは受け入れに限界があり、豊かなドイツでは人道的扱いができるが、そのため難民が・待遇の良い・ドイツに向かうというジレンマ) もすべて違うことを丁寧に取材している。 ヨルダンが人口の1/3近くのシリア難民を受け入れていることは初めて知った・・すごい。

また、難民の事情も、戦火や圧政から逃れてきたり、飢餓、貧困から新天地を求めて流れてきたりとそれぞれの背景が千差万別であることも丁寧に描いている。 要求もただ「生きたい」から「より良い暮らし」を求めるものまで様々で、解決策も一つではないことが解る。むしろ全ての要求を満たすことは不可能と感じさせる。

アフリカの難民救済組織の事務官が衝撃的な発言をしていた。「このままいけばアフリカの難民は10億単位に増加する。」 (いくら可哀そうでも自分の生活水準を難民レベルまで落としてまで援助するひとは、日本を含め先進国には少ないだろう。世界を平均化する「平等」とはそういうこと。) 

ヒューマニズムは大事だが、みんな助けたら人口爆発で地球の資源の限界が来る、だったらどうする? という正解のない疑問を改めて考えさせられた。

PS パレスチナの女性たちには救われた。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 知的
  • 絶望的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ