聞いた話ではない
- jts***** さん
- 2020年7月9日 10時01分
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- 総合評価
劇場上映時に見逃していたのでDVDにて観賞しました。
出演者は誰も知らない人ばかりでしたが、非常に良い映画でした。物語は都合が良すぎる点も多々有りますが、それを上回る優しい登場人物たちの魅力と主人公との関わりに引き込まれていきます。
ホロコーストによる悲劇を描いた部分は残酷な描写がないのに、それがかえってその非道さを観客に突きつけてきます。ヴァイオリンやアコーディオンを奏でる中でダンスを楽しむ人々、星の物語を微笑みながら話す幼い少女や、「もう俺の家だ」と扉を閉ざす男、断片的に挟まれるこの回想シーンの演出も素晴らしいです。
マドリードで再会する勘当した娘の腕に、主人公と同じ番号の刺青が有ったのは父に対する愛情表現だったのでしょうか。「ポーランド」と口にすることもはばかる父の心情に寄り添いたいという気持ちであったと思うのですが、劇中ではそれを目撃した主人公の反応はあまり描かれません。そこが唯一不満が残る点でした。
ラストシーンは賛否両論あるかもしれませんが、あれが良かったと思います。なぜこの邦題を付けたのかが分かる良い締めくくりでした。ぜひご覧ください。
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