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ゴッズ・オウン・カントリー
2018年12月2日公開

ゴッズ・オウン・カントリー

GOD'S OWN COUNTRY

R15+1042018年12月2日公開

スーザン

5.0

魂がふれ合うとはこういう事。

映画は最初から陰鬱で重苦しい。 舞台は英国ヨークシャー地方。 家族3人で営む牧場。 と言っても、実際に働けるのは息子のジョニーだけ。 母親は家を出てしまい、父親は足が不自由、年老いた祖母が家事をする。 家業の仕事はこなすが、希望を持って、という労働とは程遠い。 閉塞感で息が詰まりそうな生活。 息抜きはアルコールと、行きずりの男子相手の性欲処理くらい。 大学へ進学した同級生たちへも複雑な気持ちを抱える。 そんなジョニーは観客が嫌悪感を抱く人物像である。 だが、ルーマニア移民のゲオルゲが季節労働者として牧場にやって来てから、少しずつ変化が起こる。 寡黙で真面目なゲオルゲと生活するうちにジョニーの心に自分でも思ってもいなかった戸惑いが・・・。 やがて二人の魂がふれ合い、抑えきれない熱情が沸き上がって来る。 その過程が、とても繊細にかつ大胆な描写で演出されるのである。 少ない台詞で繊細な感情表現を演じている二人に圧倒される。 そしてラストには、そんな暗く鬱々とした背景から一歩抜け出し、未来への希望を垣間見せてくれたのが嬉しい。 何もかもお見通しで、そっと見守ってくれているバアちゃんの役回りが良いね。

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