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夜明け (2018)

監督
広瀬奈々子
  • みたいムービー 93
  • みたログ 181

3.19 / 評価:154件

生きている事に意味は無い

  • akj***** さん
  • 2019年9月24日 1時06分
  • 閲覧数 410
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

柳楽優弥は「誰も知らない」からリアルタイムで観ていたので、あの子役が大きくなったんだな~と思ってしまう。子供の時の演技と全く同じだったからである。何も変わっていない。演技というよりは顔、存在感、佇まいが評価されているのだと思うが。是枝&西川監督の弟子のデビュー作だと聞いて納得した。世の中の理不尽さや日本が抱える問題、生きる事の意味などを問いかける作品だった。小林薫が「死んで解決する事は何も無い」と言うが、柳楽優弥は「何の為に生きているのか、生きてる意味が無い、誰も悲しまない」と言う。要するに何か困難な問題があって自殺するのではなく、この世の中で生きていくのが嫌だから自殺するという、年代による隔たりがあるという事である。これが分からない人は映画を観ても仕方が無いと思う。昔と違って格差が固定されていて努力しても無駄、一度の失敗が二度と挽回出来ない救われない社会、セクハラ・パワハラなどの理不尽な仕打ち等々、自己肯定感が低くならざるを得ない世の中である。「生きている事に意味は無い」と割り切って期待せず淡々と目の前の作業をこなすしかないのである。結局、柳楽優弥はバイトも職人もどちらも嫌だったのである。使い捨てでパワハラされ放題のバイト、厚遇だが期待され過ぎて責任重大の職人、どちらを取るか究極の選択である。物語では一見、後者の方が優しく接してもらえて良かったのでは…と思うのだが、雇い主の小林薫の優しさは、従業員の柳楽優弥を思っての優しさだと見せかけておいて、本当は亡くなった息子の代わりをして欲しいというだけの押しつけがましい優しさだったのである。亡くなった妻と息子に執着して、自分の事だけしか考えられず、再婚相手や従業員の本当の気持ちが見えない雇い主を小林薫が上手く演じていた。疑似家族は本当の家族になれなかった、というのがこの作品であり、疑似家族が本当の家族になれた、という「万引き家族」の映画と対照的になっており、なかなか良いテーマの作品だった。色々考えさせられるのが映画の醍醐味である。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
  • 切ない
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