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上映中

引っ越し大名! (2019)

監督
犬童一心
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3.84 / 評価:2,069件

あのピエール×が出ています

  • 文芸サロン さん
  • 2019年9月15日 17時54分
  • 閲覧数 1083
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

武士をサラリーマンに見立てるというのが「たそがれ清兵衛」以来の時代劇のトレンドのようだ。この作品を製作した松竹は、かつて小市民ドラマが看板であった。活劇のイメージのある時代劇から今のようになったのは必然であった。
本作もそうしたサラリーマン時代劇である。時代は江戸幕府が始まってほどなく。日本社会は空前の長い平和時代を迎えていた。戦国時代は過去になり、大名の姿も変わりつつあった。戦国時代には戦力を集める必要があったが、安定期は違う。それはさながらバブル崩壊後の現代日本だ。高度成長時代に「金の卵」ともてはやされた人材は、バブル崩壊後経費削減の名のもと「リストラ」というオブラート包装された人員整理されていったことと恐ろしいほど重なる。
 サラリーマン時代劇が受け入れられた背景には、バブル崩壊の痛みがある。そこが黒澤監督の映画のような超人的な侍が悪人を倒すヒロイズム的な時代劇の人気とは異なる。
 本作の主人公は本好きの引きこもりだ。彼がまさしくひょんなことで、藩の国替えのゼネラル・プロデューサーに抜擢される。上からの命令には逆らえない、まさにサラリーマンの不運をどう切り抜けるのか?
 もちろんそこはエンターテインメントらしく「努力・友情・勝利」のどらまなのだが、随所に描かれるのは弱者や名もなき人たちへの優しさだ。そして相対的に権力への反骨も込められた作品なのだ。
 予告編ではコミカルなシーンばかりなので「超高速!参勤交代」の二番煎じに思われるが違う。確かにコミカルなシーンはあるが、本作はリアルさをもっと追及している。コメディーでありながら、江戸時代の武士の実情の再現でもある。現代ドラマの切り口にミュージカルの要素もある。それでいて作品としての統一感は保っている辺りに犬童一心監督のセンスを見る。
 ただアクション・シーンは明らかに作品のイメージを崩している。時代劇には剣劇が不可欠というのはお節介が過ぎるサーヴィスというものだ。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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  • コミカル
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