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ザ・マウンテン 決死のサバイバル21日間

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3.0

ネタバレ私たちの間の山

邦題は「釣る」関係で的外れなものになっていますが、本作の原題は「The mountain between us(私たちの間の山)」。つまりダブルミーニング(掛け言葉)です。 登山歴20年(3000m級の雪山含む)なので、皆さんがツッコミたくなるディテールもろもろの点には共感できます。 が、雪山サバイバルは本作の場合、あくまで舞台装置でしかないわけで、核は生死を共にした人間の間に生じる強い絆(戦友とかと同じ)。 本作の「戦友」は男女ですが、ハニ・アブ=アサド監督の代表作(政治的メッセージ性の強い「パラダイス・ナウ(2007)」と「オマールの壁(2016)」)では、いずれも慕う男女が結ばれることなく悲しい末路になっていただけに、濃厚なLOVE描写に飢えていたのかもしれませんね(?) 直感で行動することを是とするアレックスと、理性的に対処することを是とするベン。 対立もしますが「背中をあずけ合う」21日間の遭難の間に、いつの間にか互いの性質が身に染み込んでいる。 (ベンが非理性的な感情で動いたり(小屋に残そうとしたアレックスを翻意し連れていく)、アレックスが理性的に行動したり(目の前の罠を外すことに拘らず、最後の力を振り絞って製材所に助けを求めに行く)) 結果として「私たちの間の山(受け容れられなかった相手の性質)」を受け容れたからこそ、二人とも助かった。 この強い絆の前には、助かった後のもうひとつの「私たちの間の山(惹かれ合う思いに蓋をする理性)」も崩落するしかなかった。 星3.5(にしたいですが出来ない)を贈ります。

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